2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅高齢者の浴室・脱衣室・トイレで発生する事故と環境要因に関する研究
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15592250
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
窪田 惠子 西南女学院大学, 保健福祉学部・看護学科, 助教授 (20309991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 美佐子 西南女学院大学, 保健福祉学部・看護学科, 助手 (50320388)
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (50095907)
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Keywords | 在宅高齢者 / 浴室環境 / 浴室の構造 / 浴室の設備 / 浴槽の形態 / 段差 / 手すり / 推奨基準 |
Research Abstract |
本研究は、高齢者が居住する浴室環境について構造・設備を調査することにより、在宅高齢者の浴室・脱衣室・トイレ環境の整備を進めるための基礎的な知見を得ることを目的として、203名の高齢を対象に調査し、以下に示すように浴室環境の現状について明らかになった。 1.浴室の面積は、1.3m^2〜6.7m^2と幅がみられ旧建設省「長寿杜会対応住宅設計指針と補足基準」の推奨基準より狭いものが31%にみられた。現状では不満と答える人は少ないが、介護が必要になった場合に支障が起こることが推測できる。 2.浴槽の形態は、和式が61.2%と多いが、築年数が新しいものほど和洋折衷型が多くなる傾向がみられた。浴槽形態や設置方法において身長との関係がみられなかったことから、浴槽縁が高いと湯をくみ出すことによる循環動態への影響や浴槽への出入り時に支障をきたすことが示唆された。 3.手すりの設置は、築年数の新しいものほど多くなる傾向が見られたが、浴槽の出入り用手すりの設置率は19.2%であり、その他の場所においても手すりの設置は少ない。また、浴室と脱衣室の段差は0〜34cmと幅がみられ推奨基準の範囲にあるものは11.8%であったことから、段差に対する高齢者の安楽や安全対策としては十分とは言えない。 4.温熱環境を調整できる暖房や冷房および緊急事態に対処できる非常時の通報装置は、ほとんど設備されていないことが明らかになった。 今後の課題は、対象者の多くが何らかの身体的問題を抱え、特に腰痛など筋骨格系の痛みが多かったことから転倒の危険因子になることが推測できた。世帯構造では独居、老夫婦のみ世帯が半数以上を占め、築年数が長いほどその割合が増加することからも高齢者が自立して生活本続けられる生活環境の整備が今後の課題となる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 窪田 惠子, 栃原 裕, 他2名: "在宅高齢者の浴室環境の現状"日本生理人類学会誌. 8巻・特別号(1). 78-79 (2003)
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[Publications] 窪田 惠子, 栃原 裕, 他2名: "在宅高齢者のトイレ環境の現状"日本生理人類学会誌. 8巻・特別号(2). 72-73 (2003)