2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん化学療法の味覚障害患者に対するレモン炭酸水含嗽の生理・心理学的影響
Project/Area Number |
15592254
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
神田 清子 群馬大学, 医学部, 教授 (40134291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 太郎 群馬大学, 医学部, 助手 (30312896)
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Keywords | がん患者 / 化学療法 / 味覚障害 / 唾液分泌量 / 味覚識別閾値 / 悪性リンパ腫患者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん化学療法を受けている患者の味覚障害の経過と味覚障害の回復を促す含嗽効果を検討することである。何もしない状態、蒸留水含嗽と10%レモン炭酸水含嗽により唾液分泌量・味覚識別閾値・血清亜鉛値(生理的指標)および主観的な唾液分泌感、味覚の変化および味覚回復感(心理的指標)がどのように変化するか明らかにする。 対象者は、CHOP療法、R-CHOP療法を受けている入院中の悪性リンパ腫患者8名であった。治療前・化学療法4・8・12日目に、何もしない状態での味覚障害の経過を調査し、その後、無作為に順序を変え、蒸留水と10%レモン炭酸水含嗽を実施し、生理・心理学的な影響から分析し以下の結果を得た。 1.がん化学療法を受けている患者の唾液分泌量は、治療前に比べて明らかに4日目に減少し(P<0.05)、12日目には治療前より多くなっていた。味覚識別閾値(甘味・塩味・酸味・苦味)・血清亜鉛値は治療経過により有意な変化は認められなかった。 2.がん化学療法を受けている患者の唾液分泌感は、4日目に「濃い・ねばつく」と2名が感じ、味覚の変化は、同様に4日目に著明な変化、わずかな変化を認識していた。 3.10%レモン炭酸水含嗽はすべての時期において、何もしない状態および蒸留水含嗽より唾液分泌量を有意に増加させる効果が得られたが、味覚識別閾値を変化させ回復する効果は認められなかった。 4.10%レモン炭酸水・蒸留水含嗽ともに主観的な味覚回復感においては有意な差は認められなかった。 5.10%レモン炭酸水と蒸留水含嗽に対する主観的な使用感は、10%レモン炭酸水の方が味と快適感(p<0.05)がともによくなっていたが、食欲への影響について有意差は認められなかった。 以上の結果より、看護師は化学療法4日目に唾液分泌量減少・味覚障害出現を予測した上で、アセスメント・介入を行っていく必要があり、10%レモン炭酸水含嗽は、唾液分泌量を有意に増加させる一方法であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)