2003 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病患者のセルフエスティーム(自尊感情)-看護の質を高めるために-
Project/Area Number |
15592271
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大森 美津子 香川大学, 医学部, 教授 (70251072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 知子 香川大学, 医学部, 助手 (00314922)
越智 百枝 香川大学, 医学部, 助教授 (40270053)
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Keywords | パーキンソン病 / 自尊感情 / ADL / 外来患者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、パーキンソン病患者の自尊感情の実態とそれに影響を与える要因、さらにはパーキンソン病への罹病前後における自尊感情の変化を明らかにすることである。 上記の目的を達成するために、平成15年度は専門医を招いてパーキンソン病についての勉強会を開催し、研究者の疾患に対する理解を深めることから着手した。これと平行して、パーキンソン病患者のみに限らず、高齢者や慢性疾患患者にまで対象を拡大して「自尊感情」に関する文献を収集し、これまでの研究によって明らかにされた内容やその調査方法を明確にした。 これらのステップを経て、パーキンソン病患者の自尊感情の実態とその影響要因を明らかにするための調査用紙を作成した。本研究の独自性は、地域や家庭、病院などの医療施設おいて「援助を受ける」という受身的な存在として捉えられがちなパーキンソン病患者を、「自分で症状がコントロールできている」という主体性や、「他者をサポートできる」という能動性に着目して患者の自尊感情を分析しようと試みた点にある。そのため、調査用紙には患者の「主体性」や「能動性」を問う質問項目を設けた。 本研究を行うにあたっては、調査対象者への十分な倫理的配慮が必要である。そのため、フィールドとなる医療機関(香川大学医学部附属病院)の倫理委員会へ審査を依頼し、本研究を実施する上での倫理面に関する問題点を検討していただいた。(なお、平成16年1月の同委員会において、実施に関する承認を得ている。) 現在は質問紙を患者に配布するための準備をすすめているが、ローゼンバーグのSelf-esteem Scaleは欧米諸国において作成されたものであるため、事前に邦訳された尺度の内容やパーキンソン病患者という対象者への妥当性について検討中である。
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