2003 Fiscal Year Annual Research Report
チームアプローチによる小児慢性疾患患者の自己管理教育・支援に関する研究
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15592273
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 慶子 愛媛大学, 医学部, 教授 (40263925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薬師神 裕子 愛媛大学, 医学部, 助手 (10335903)
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Keywords | 小児 / 1型糖尿病 / 小児慢性疾患 / 患者教育・支援 / 自己管理 / チームアプローチ / 発達段階 / 糖尿病サマーキャンプ |
Research Abstract |
慢性疾患を持ちながら生活する小児とその家族を対象に、自己管理を支援するための方法論を開発し、疾病や病期、発達段階に特徴的な患児と家族に対する支援モデルを示すことを目的に研究を展開した。その活動の主体は1型糖尿病患者を対象とした研究の継続と、IT機器を看護活用するための基礎的な準備活動であった。 1.1998年から継続しているテレビ電話を用いた1型糖尿病患者の支援を継続し、個々の事例の成長期(中学進学、高校進学、社会人としてのスタート)に注目して、血糖コントロール状態、患者とのIT機器を用いた交信内容、糖尿病サマーキャンプでのインタビューや活動状況をデータとして分析を進めている。IT機器の進歩によって、携帯電話、IP電話が活用できる環境に変化してきた。しかし、ケアや患者教育に活用するためには、通信費やシステムの更新などの対応がタイムリーには展開できないことが、研究を発展させ評価するための課題となっている。 2.糖尿病サマーキャンプをフィールドとして、子ども達がキャンプで撮影した写真から視覚経験分析手法を用いて子どものキャンプに対する思いを検討し、さらに子どもへのインタビューを加え質的に分析した。その結果、キャンプには仲間やスタッフの人的交流・人的環境が重要であることを確認した。 3.受験期に入院した小児への支援方法、年長の重度障害児を持つ母親の生活と負担度に関する調査、入院中の子どもに対する面会時間の延長に関する検討、子どもがNICUに入院中の母親へのインタビューなど、小児看護領域における研究の基礎となるテーマで、文献検討や予備調査的な研究活動を実施した。 4.小児がん患者、重症新生児、低出生体重児とその家族を対象としたIT機器による支援システムの構築に関しては、対象となる施設との研究設備の設定について交渉中であり、機器設置の準備を進めた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 鍵小野美和, 薬師神裕子, 中村慶子: "1型糖尿病をもつ小児の血糖自己測定に伴う痛みと思いの変化"日本糖尿病教育・看護学会誌. 8(1). 5-13 (2004)
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[Publications] 薬師神裕子, 中村慶子: "1型糖尿病患者へのIT機器通信を用いた継続支援の有効性"日本糖尿病教育・看護学会誌. 7巻特別号. 93 (2003)
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[Publications] 中村慶子, 薬師神裕子: "1型糖尿病を持つ小児の在宅看護"保健の科学. 45(10). 742-747 (2003)
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[Publications] Keiko Nakamua, Yuko Yakushijin, Kaichi Kida: "Home Health Care for Children with Type 1 Diabetes"The Todai International Symposium 2002 New Development on Nursing Informatics. Abstract. 105-108 (2003)
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[Publications] 中村慶子, 薬師神裕子: "国際的視点からみたわが国の小児糖尿病教育・支援の課題"小児看護. 26(7). 884-891 (2003)