2005 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者の地域生活を促進するためのインテンシブ・ケアマネジメントモデルの開発
Project/Area Number |
15592276
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇佐美 しおり 熊本大学, 医学部, 教授 (50295755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 清巴 熊本大学, 医学部, 助教授 (90295113)
木子 莉瑛 熊本大学, 医学部, 講師 (40253710)
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Keywords | インテンシブ・ケアマネジメン / 精神障害者 / 地域生活 |
Research Abstract |
平成17年度は、平成16年度までに作成したインテンシブ・ケアマネジメントに関するケア・プロトコールをもとに、平成16年12月から平成17年3,月までの間に、九州の私立K精神病院急性期治療病棟に入院した統合失調症及び統合失調症感情障害の患者50名を対象に、調査に同意のえら得た患者およびその家族に、ケア・プロトコールを実施し、その成果の判定を行った。成果は病状(GAF, BPRS), SELF-CARE, SOCIAL SUPPORT,家族の態度評価(Family Attitude Scale)を入院中は2週間ごと、退院後は、半年間1ヶ月ごとに評価を行った。そしてこの結果を、平成15年度に行った結果と比較し、ケア・プロトコールの評価を行った。今回対象となった50名の患者の平均年齢は36才、男性19名、女性31名、CP換算は225だった。 退院後半年間の再入院率は15%で平成15年度の実態調査時の28%に比べるとやや低くなっていたが、有意な差ではなかった。さらにケア・プロトコール実施前の入院日数は89日だったが、ケア・プロトコール実施後の入院日数は45日と有意に少なくなっていた。またケア・プロトコール実施前後の対象者の特徴についてT検定を行ったが有意な差はみられなかった。またケア・プロトコール実施前後で、退院後半年間の病状、セルフケア、ソーシャル・サポートを比較すると実施前後ともGAF,BPRSに有意な差はみられなかったが、セルフケアの中でも特に病状や活動の仕方に関するセルフケアの方法が有意に異なっており、ケア・プロトコール実施後に病状や活動の仕方に関する工夫がみられるようになっていた。またケア・プロトコール実施前後のソーシャル・サポートについても有意な差はみられなかったが、プロトコール実施後にややソーシャル・サポートの専門家の数が増える傾向にあった。さらに家族の態度についてはケア・プロトコール実施前後に有意な差はみられなかったが、プロトコール実施後に、家族のケア満足度がやや高い傾向がみられていた。また看護師のケアにおいて特に退院を意識した患者のセルフケアへの意図的働きかけが質的分析において出現頻度が高かった。
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Research Products
(3 results)