2003 Fiscal Year Annual Research Report
児童虐待の未然防止並びに再発予防を目的とした親へのサポートシステムの構築
Project/Area Number |
15592280
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
益田 早苗 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (10315541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 香代子 弘前大学, 医学部, 講師 (00344599)
浅田 豊 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (00315532)
新道 幸恵 青森県立保健大学, 健康科学部, 学長 (30162796)
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Keywords | 児童虐待 / 虐待未然防止 / 虐待再発予防 / 親サポート / 虐待背景要因 / 家族支援 / 育児不安 / 育児相談 |
Research Abstract |
虐待件数が増加の一途をたどる中、虐待を未然に防ぐための支援及び家族の再統合や虐待の再発防止にむけた親への支援が急務であるという社会背景を問題の基盤とし、本研究では、わが国の虐待する親に対するアフターケアおよびサポートシステムの現状を明らかにし、虐待の背景要因及び求めるサポート体制等を分析し、とりわけ妊娠期からの虐待の予知、早期発見、未然防止、アフターケアに対する有効な知見を導出することを目的とした。この目的にしたがい、本年度の成果としては、まず親の回復プログラムを実施している機関への訪問調査を通して、各県の行政及び民間機関の連携・役割分担による総合的な虐待防止支援体制・児童虐待相談体制の現況を考察できたとともに、親への指導・サポートシステムづくりにおいて重要となる「虐待を認め自己の変容を意識できる親の少数性」、「親が自分なりに納得し自尊心が取り戻せる指導内容の重要性」等の背景要素を導出することができた。また、属性として(1)家族構成、(2)婚姻形態、(3)不妊治療の経験、(4)経済的困窮の有無、(5)前回の妊娠・分娩経過の異常の有無、(6)夫との信頼関係等16項目、妊娠中の状況として(1)予定外の妊娠の状況、(2)妊婦健診の回数、(3)母子健康手帳活用状況、(4)妊娠中の精神状態、(5)家族による支援の有無、(6)育児相談の機会、(7)妊娠や育児への不安の有無、(8)妊娠中の飲酒喫煙状況等21項目、出産時・入院中の状況として(1)出産状況、(2)胎児の状態、(3)胎児への印象、(4)出産体験の満足度、(5)母子分離状況、(6)医療者が自分の相談にのってくれたかどうか、(7)母乳指導の有無等16項目、退院から1ヶ月健診頃として(1)退院後の育児サポートの有無、(2)保健師助産師による家庭訪問の有無等12項目、さらに現在までとして(1)乳幼児健診受診状況、(2)医療者への相談のしやすさ、(3)育児相談相手の有無等15項目を含む聞き取り調査概念を構造的に抽出し聞き取り調査用紙を開発した。さらに青森県内の児童相談所が関わっている虐待相談ケースの中から、親の同意が得られたケース3名の選定が完了し2004年4月に聞き取り調査を行なうとともに、同9月に30人を対象とする聞き取り調査を実施予定としている。
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