2003 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患患者の包括的リハビリテーションにおける看護介入に関する研究
Project/Area Number |
15592305
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Research Institution | Juntendo Medical College of Nursing |
Principal Investigator |
青木 きよ子 順天堂医療短期大学, 看護学科, 教授 (50212361)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患患者 / 看護介入 / アセスメントツール / 介入評価 / 急性増悪期 / 看護問題 |
Research Abstract |
対象患者は都市部の大学病院で入院治療を受ける慢性肺疾患患者のうち、研究目的・方法を文書と口頭で説明し協力を得られた急性増悪期にある患者3名を対象とし看護介入したが、データが十分に得られた2名を分析対象とした。「QOL」と「呼吸困難の程度」、「生活動作の維持能力」とその2下位尺度、「ストレス認知」とその4下位尺度、「近親者の心理的サポート」の5尺度、32項目からなる在宅酸素療法患者のアセスメントツールを、慢性閉塞性呼吸器障害患者用に一部改変し34項目のアセスメントツール試案を作成した。このアセスメント試案を使用し看護介入を実施した。その後、入院時と退院時にアセスメントツールとQOLの得点を比較し効果を検討した。さらに、この患者のアセスメントツールの評価結果と看護計画を比較検討した。 慢性肺疾患患者のアセスメントツール試案の使用は、慢性肺疾患患者の急性増悪期における看護介入の必要性とケアの効果判定に有効であった。そのため、患者のQOLの向上を図るためには、介入前にアセスメントツールを使用し看護介入の必要性を判断し、ケア計画の立案に積極的に活用することが重要となるといえた。 ケース(1)の場合、アセスメントツール試案から得られた介入の必要性と介入計画が適合し、退院時のQOLは向上していた。ケース(2)の場合、ストレスの低減においてアセスメントツール試案による介入の必要性が見いだされていたものの、具体的な介入計画にずれが生じていた。ストレス認知は高まり、QOLは低下しており、入院初期からストレス低減をターゲットにした看護介入を計画的に行う必要があったことが示された。これらから、アセスメントツール試案は、看護問題の妥当性と看護介入の良否を判断するうえでも重要な指標になることが示唆された。
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Research Products
(2 results)