2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592306
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
塚本 康子 静岡県立大学短期大学部, 助教授 (60310554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 志乃 静岡県立大学, 短期大学部, 助手 (20369549)
奥 祥子 鹿児島大学, 医学部, 講師 (40284921)
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Keywords | 終末期 / 療養場所 / 意思決定 / ギアチェンジ |
Research Abstract |
終末期における療養について、その選択のプロセスを明らかにする目的で、緩和ケア病棟に入院している患者を対象に、アンケート調査及び聞き取り調査を実施した。患者の体調を考慮しながら調査依頼をし、書面をもって同意を得た。昨年から調査開始し、平成16年2月25日現在、アンケート配布数は16人、回収は15人、有効回答数は14人である。調査継続中であるが、現在までの結果を報告する。 対象者の背景は、年齢42歳から85歳で、平均67.2歳。病棟に入院してから最も短い人で5日、最長は365日であった。病名は、14人のうち、「なし」「わからない」と答えた2人を除き、12人は"がん"と答えていた。現在の病状については、「一人で動けない」12人、「痛み」11人が最も多かった。療養の選択について、緩和ケア病棟に移ることを決めたのは、「主治医から緩和ケアの説明を受けたとき」4人が最も多く、次いで「緩和ケアの担当医師から説明を受けたとき」3人であった。その時の迷いについては、「全く迷いはなかった」と7人、「迷いはなかった」と4人が答えた。しかし「非常に迷った」2人、「少し迷った」1人も答えており、決定に戸惑う患者の存在を裏付けている。治療法についての情報は、主治医以外からはテレビや雑誌などマネコミが多くを占め、緩和ケア病榛についての情報は身近な人からの情報や体験が多かった。インターネットと答える人もあり、情報の入手方法は多元的なように見受けられた。自宅療養については、「できれば自宅療養をしたい」「症状が落ち着いたら自宅療養するつもり」と10人が答えたが、「できる限り入院していたい」と6人が答えた(複数回答)。複雑な選択の状況が伺える。療養の選択プロセスについて、詳細は聞き取り調査の分析で明らかにしていきたい。アンケート調査と聞き取り調査は継続していく予定である。
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