2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592306
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
塚本 康子 静岡県立大学短期大学部, 助教授 (60310554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 祥子 鹿児島大学, 医学部, 講師 (40284921)
馬場 志乃 静岡県立大学短期大学部, 助手 (20369549)
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Keywords | 終末期 / 療養場所 / 意思決定 / ギアチェンジ |
Research Abstract |
終末期における療養の選択について、そのプロセスを明らかにするためにアンケート調査と面接調査を実施した。平成17年3月現在、アンケート回収数は28人、面接の対象者は18人である。 アンケート調査の対象者は年齢42〜85歳、平均年齢67.9歳。緩和ケア病棟に移ることは、「主治医から緩和ケア病棟の説明を受けた時」「緩和ケア担当医師から説明を受けた時」にほとんどが決め、説明前に決めていたのはわずか1名だった。緩和ケア病棟に入院するとき、「迷った」人は約20%、迷いが「ほとんどなかった」「全くなかった」と80%が答えていた。自宅での療養は、「できれば自宅療養したい」38.1%、「症状が落ち着いたら自宅療養したい」と19.0%が答えていたが、一方で「できる限り入院していたい」と42.9%が答えた。 面接調査については、5人の分析結果から報告する。対象は男性2名、女性3名。年齢は62〜81歳で、平均年齢は72.8歳。全員が事前に緩和ケアの説明を受けていた。医師から説明を受け、家族と相談もしていたが、患者本人が緩和ケア病棟に入院することを決めていた。患者は自宅療養を希望していたが、疼痛が強く、症状コントロールできないことが緩和ケア病棟へ入院・転棟する要因の第一としてあげられた。介護をする人として配偶者をあげており、配偶者の健康状態も自宅療養の可否に関係していた。一人暮らしでは「一人で死ぬのは寂しい」「経済的にも大変」だと語った。医師や看護師からの緩和ケアの説明は、勧められているように受け取られ、「せっかく言ってくれたから」「有り難い気持ちでいっぱい」で決めていた。「緩和ケア病棟に来るしかなかった、他に選択肢はない」という患者がいる一方で、病状を「がんの初期」と表現する患者もおり、病状の認識には個人差があった。 緩和ケア病棟へのギアチェンジには、苦痛の強さ、介護者の有無・健康状態、今までの治療経過、医師・看護師の説明内容、患者の理解、医師・看護師との関係、病識、経済状態が関係していた。
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Research Products
(1 results)