2004 Fiscal Year Annual Research Report
青年期におけるライフスタイルと生活習慣病リスクファクター発現の関連
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15592307
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Research Institution | Nursing College, Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
内海 みよ子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教授 (00232877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40168018)
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Keywords | ライフスタイル / 生活習慣 / 経年的変化 |
Research Abstract |
15年度から継続し、中・高生(A群)を対象に、ライフスタイル調査として生活実態調査・栄養摂取状況調査・運動量調査、循環動態調査、血液検査を実施し、激しい身体活動を続ける運動選手(B群)との比較を行った。また同一対象者のライフスタイルの経年的変化とその影響について検討した。 1.A群B群共に体脂肪率とBMIは有意な相関を示し、A群ではBMIと拡張期血圧に有意な相関が見られ、B群では収縮期血圧・拡張期血圧とBMIに相関が見られ、A群B群共に肥満と高血圧の関連性が高いことが示唆された。 2.B群においてBMIが上昇すると中性脂肪・総コレステロールが高値を示し、HDLコレステロールは低値を示したことより肥満と血清脂質との関連性が示唆される。糖代謝では血糖を除きインスリン、HORM-IRとBMIとの相関がみられ、運動習慣がある者でも、体重増加に関連して脂質代謝異常、インスリン抵抗性の結果と考えられる高インスリン血症を危惧すべきであることが示唆される。 3.起立時の血圧変動ではB群よりA群に、起立後の血圧の低下を代償するための圧受容体反射が迅速に機能しており、運動習慣は血管運動反射に効果的な影響を与えることが示唆された。 4.同一対象者の経年的変化の検討結果は、中学2年次、中学3年次、高校3年次にライフスタイル調査を受けた者の生活実態、栄養摂取状況、運動量から、A群を普通群と肥満群(年齢別体脂肪率曲線の75パーセンタイル以上)で比較すると、栄養摂取状況に差は見られないが、栄養素群別では肥満群に乳製品や果物の摂取が有意に少ないという結果であった。また肥満群では就寝時間が12時以降である者が多い傾向であった。経年的に就寝時間は遅くなっていくが、中3・高3共に12時前に就寝している者の朝食摂取率は高く、目覚めの質も良いと自覚している者が多くみられた。 5.B群での経年的変化については、2年連続で健康チェックを受けている者31名、3年連続のものは3名と少数であり、現在データ分析中である。 中・高生の生活習慣(運動・食事・生活状況等)について早期からの健康への啓蒙、また選手生活を引退した者への健康チェック・健康指導についても継続し、生活習慣病危険因子を排除していく必要性がある。
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