2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者の大腿骨頸部骨折予防のための地域看護モデルの構築
Project/Area Number |
15592314
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 悦子 名古屋大学, 医学部, 教授 (50135373)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久美子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40259388)
江藤 真紀 名古屋大学, 医学部, 助手 (30295167)
|
Keywords | 大腿骨頸部骨折 / 地域看護モデル / 地域高齢者 |
Research Abstract |
高齢期の骨折は高齢者の生命予後に影響を与え、QOLを著しく阻害する。骨折を起こした高齢者のQOLがどこまで図られているのか、骨折後の社会参加状況や、ADL、健康状態、健康増進施設利用状況などについて、地域看護の観点から探ったものは少ない。本年度は地域在宅高齢者を対象として、骨折経験者と非骨折経験者別に身体活動状況、QOL、社会参加、Social Supportに関連する指標との関連を明らかにすることを目的とした。 調査対象はT県J町の地域在住の全高齢者のうち調査協力の得られた2450名で、自記式調査票を地区役員より配布し回収した。このうち、施設入所、病気療養中や寝たきり、痴呆等で回答できない者を除外した。調査項目は、基本属性、医療状況、転倒の有無と頻度、50歳以上での軽微な理由による骨折経験、ADL、健康生活習慣、WHO-QOL,社会参加状況などである。今年度はこれらのデータベースを作成した。 前期高齢者1141名、後期高齢者は800名であった。50歳以上での骨折経験者は、前期男性6.2%、女性16.4%、後期男性12.9%、女性25.9%で前期・後期とも女性の骨折割合が有意に多かった。過去1年の転倒経験者は、前期女性21.6%、前期男性32.8%、後期男性36.3%、後期女性43.4%と骨折同様、前期・後期とも女性の転倒割合が有意に多かった。また、骨折経験者は転倒割合が有意に多かった。全対象における骨折部位は、手首・上肢、下肢・足首、腰椎・脊椎、肋骨、肩、大腿骨頸部、肘・膝、その他の順であった。また、骨折の平均年齢は女性70.5±9.4歳、男性70.9±10.7歳で性差はなかった。後期高齢者において骨折経験者は非経験者に比較してWHO-QOL総合スコアが有意に低いことが示された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 郷内直子, 梶田悦子, 江藤真紀, 中谷芳美, 松原勇, 鏡森定信: "地域在住の高齢者における骨折経験と社会参加の関連"日本公衆衛生学雑誌. 50・10. 737 (2003)
-
[Publications] 江藤真紀, 中谷芳美, 松原勇, 梶田悦子, 郷内直子, 鏡森定信: "地域在住の高齢者における転倒経験と温泉利用との関連"日本公衆衛生学雑誌. 50・10. 736 (2003)
-
[Publications] E Kajita, N Gounai, M Eto, Y Nakatani, I Mtsubara, S Kagamimori: "The relationship between bone fracture experience and public participation in the elderly inhabitants"International Conference on Progress in Bone Mineral Research Abstracts/Bone S1-S29. 33. S15 (2003)
-
[Publications] 鏡森定信, 中谷芳美, 梶田悦子, 金山ひとみ, 堀井雅恵, 松原勇: "温泉利用とWHO生活の質-温泉利用の健康影響に対する交絡要因としての検討"日本温泉気候物理医学会誌. 67・2. 71-78 (2004)