2005 Fiscal Year Annual Research Report
夫婦間暴力における夫と離別した女性の健康状態と暴力の長期的影響に関する研究
Project/Area Number |
15592321
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
澤田 いずみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (50285011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 知子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (80165951)
吉野 淳一 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80305242)
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (00264531)
片倉 洋子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80363711)
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Keywords | 夫婦間暴力 / 健康調査 / 女性 / PTSD / うつ症状 |
Research Abstract |
1.研究の目的 夫から暴力を受け、夫と離別した女性の心身の健康状態を明らかにし、暴力が女性の健康に与える長期的な影響と夫と離別後のヘルスニーズを明らかにすること。 2.2次調査(ヘルスニーズに関する聞き取り調査)の分析 1)面接調査の継続と逐語録の作成 平成16年度に引き続き、調査への同意を得られた14名を対象に、健康状態並びにヘルスニーズに関する面接調査を継続し、逐語録を作成した。また、健康調査の際、健康問題に相談のあった対象者へのフォローを継続した。 2)面接調査の分析 作成した逐語録をデータとして、表在的ならびに潜在的内容分析を行った。この結果、PTSD症状、うつ症状などの精神症状の他、子どもの不登校や暴力、適応障害などの健康問題も多く語られ、このことがさらに女性の健康に影響していることが示された。また、生活習慣病、膠原病、悪性疾患など長期にわたる療養を必要とする疾患も見られ、対象者のほとんどが独居もしくは母子世帯の低所得層であることから、これらの疾患の療養の困難も語られた。さらに、夫から逃れ続けるためにこれまでの地域社会を離れて暮らしており、ソーシャルサポートの分断が健康状態へ影響している様子もうかがわれた。以上から、離別後の親子のヘルスニーズを総合的に支援することの必要性が示唆された。 3.専門家からのスーパーバイズによる結果の評価 1次調査、2次調査の結果並びに分析結果について、DV被害者シェルターの代表者からスーパーバイズを受け、結果の評価並びに補足情報を得た。 4.報告書の作成 以上の結果について、研究成果報告書を作成した。今後、面接結果の詳細な分析とともに、1次調査の結果(受けていた暴力の性質、期間)との関連から暴力の長期的影響についてさらなる分析を進める予定である。
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