2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅高齢者の閉じこもり防止のための地域づくりに関する研究
Project/Area Number |
15592329
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Research Institution | Aichi Prefectural College of Nursing & Health |
Principal Investigator |
古田 加代子 愛知県立看護大学, 看護学部, 講師 (00319253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
流石 ゆり子 山梨県立看護大学, 看護学部, 助教授 (70279892)
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Keywords | 高齢者 / 閉じこもり / 外出頻度 / 心理的要因 |
Research Abstract |
高齢者の「閉じこもり」の実態を、心理的要因との関係を中心に検討をすることを目的として、調査を行った。対象は、A県T市で虚弱高齢者を対象とした保健事業などに参加している、65歳以上の男性47名、女性85名である。調査は、B型機能訓練事業などの開催日に、調査についての趣旨説明をした後、自記式質問紙調査、あるいは希望があれば聞き取り調査によって行った。調査期間は平成14年8月から平成15年5月までである。 調査に協力の得られた145名のうち、132名(91.0%)から有効回答を得、これを分析の対象とした。内訳は男性47名、女性85名で、調査時の平均年齢(±SD)は男性75.8(±7.3)歳、女性76.4(±6.1)歳であった。 外出頻度をみると全体で98名(74.2%)が毎日外出していたが、年代別では60代で79.2%、70代で76.6%、80代以上で68.2%と、年代が上がるにつれて若干減少していた。また外出頻度が週1回以下のいわゆる「閉じこもり」高齢者は、70代以上で4名(3.0%)みられた。 生きがいがあると回答した者のうち、毎日外出する者は、男性71.9%、女性88.0%であり、それぞれ生きがいがないと答えた者の外出頻度を上回っていた。女性では生きがいの有無によって外出頻度に有意な差(p<.05)がみられた。主観的健康観との関係では、女性で調子が良いと感じている者ほど外出頻度が多い傾向(p<.1)があった。日常生活の主体性などを得点化した意欲得点(12点満点,平均±SD)は、男性の毎日外出者が10.13±1.54点、それ以外の者9.38±1.26点、女性の毎日外出者9.42±2.30点、それ以外の者8.28±2.19点で、いづれも毎日外出する者の得点が高い傾向(p<.1)にあった。また生活満足度(LSIK得点)との関連は、男女ともみられなかった。うつ得点は男性で有意差(p<.05)がみられ、毎日外出する者の方が抑うつ度が低い結果であった。
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