2005 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養者を抱える家族が捉える訪問看護師の存在と看護介入内容に関する研究
Project/Area Number |
15592330
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
河原 宣子 京都橘大学, 看護学部, 助教授 (00259384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉下 知子 三重県立看護大学, 看護学部, 学長 (60010063)
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Keywords | 家族看護 / 訪問看護 / 高齢・過疎地域 |
Research Abstract |
本研究は,高齢・過疎化の進む地域において,在宅療養者を抱える家族が,家族をどのように認識しているか,訪問看護師の役割をどのように意識しているか,在宅療養者を抱える家族が満足(期待)する訪問看護師の役割の根拠となる看護介入はどのようなものか,を「在宅療養者の介護者が意識する家族認知の範囲と訪問看護師の役割」と「訪問看護師が認識した訪問看護活動時のトラブル」の2つの視点から考察した. その結果,対象者は,高齢者夫婦世帯や何世代にもわたる家族が同居あるいは近隣住まいをしている世帯に関わらず,『親族』を自身の家族と認知しており,対象者にとっての家族の役割については,愛情,生きがい,安心,信頼,助け合いという5つのカテゴリーに分類できた.また,対象者が意識している訪問看護師の役割は,『医療・看護専門職』であると認識している者が多く,具体的には,在宅療養者の健康状態改善,対象者の情緒的な面での支援,在宅療養者の主治医との適切な連携であった.さらに,訪問看護活動において発生したトラブルは,在宅療養者とその家族が訪問看護師の役割として期待している部分で発生していることがわかった.在宅療養者やその家族,さらには医師,ホームヘルパー等多様な人間関係の中で活動する訪問看護においては,家族との関係性において発生するトラブルが認められた. 今後は,今回の研究を踏まえて,在宅療養者の家族と訪問看護師との関係性において発生したトラブルについてさらに調査件数を増やし,家族看護におけるリスクマネジメントの具体的方策の看護モデルを構築したい.
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