2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者高度医療専門病院における終末期ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
15592346
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
水野 敏子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10153305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小長谷 百絵 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (10269293)
會田 信子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (80291863)
|
Keywords | 高度医療専門病院 / 高齢者 / 終末期ケア / ケアプログラム開発 |
Research Abstract |
18年度はA高齢者高度医療施設の呼吸器病棟で作成したプログラムを用いて終末期ケアを実施し、その結果から修正すべき内容を洗い出した。病棟推進役の看護師2名と計12回の検討会を持ち修正プログラムを作成した。 修正ケアプログラムは終末期の高齢者を看護する際に特に注目するべき点、すなわち終末期にも退院することを望む本人の望みを実現することや、疼痛、呼吸困難などの苦痛の緩和、日常生活を高齢者が望むようにケアする、さらには家族のケアが充実するという点に絞って説明されている。看護問題に応じた援助を色別に示し、看護問題に応じて必要な箇所を簡単に読むことができるように工夫した。ポイントを以下に示した。 1.退院を望む本人の希望をかなえるためのポイントは(1)看護師は軽症のうちから恐れずに死に関する話題に触れ本人の意思を確認する。(2)家族が終末期の退院について不安が強いときには、在宅によるメリットや実現可能性等がイメージできるように関わる。(3)自宅退院の促進のためには24時間の相談窓口や緊急時の入院を保証するシステムを準備する。 2.苦痛緩和のポイントは(1)高齢者は入院時の苦痛や落ち着きの無さ、中期の苦痛へのコントロールがポイントである。(2)高齢者は死亡一週間前には意識が低下するが、意識が低下していても疼痛は感じていることをも理解する。(3)苦痛が緩和されないときには緩和のゴールを明確にし、麻薬の使用について医師の決断のみならずチームで積極的に検討する。(4)苦痛が強いにも拘わらず最後まで食事や排泄等を自分で行うことを希望する高齢者には、痛みを起こす動作が予測された時刻にあわせて事前にレスキュー・ドーズを用いることを検討する。(5)認知症高齢者は疼痛を訴えるよりも、身体で表現していることを理解しそのサイインを理解する。 3.家族ケアのポイントは(1)家族が起こりうる変化を理解し、看取りに十分参加できるように援助する。
|
Research Products
(3 results)