2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の障害進行予防のための医療・看護と介護サービスのあり方に関する疫学研究
Project/Area Number |
15592348
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
三徳 和子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (60351954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 利治 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (30175575)
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Keywords | 要介護(支援)認定者 / 追跡 / 死亡 / 生存分析 |
Research Abstract |
要介護(支援)認定者の生命予後について 要介護認定者2345人を対象として要介護度と生存の関係を探るために、生存分析を行った。対象者の追跡日数は平均546.22±468.1日であった。生存時間分析は要介護度別にカプラン・マイヤー法を用いて行い、年齢階級を調整したうえで要介護(支援)度別に比例ハザードモデルを用いて行った。結果は死亡が男性239人(29.6%)、女性303人(19.7%)、転出は男性4人、女性1人であった。要介護(支援)認定者の生存時間の平均値は男性853.62日、女性977.7日であり、男性が短かった。介護度別には男性では最大と最小の差は199日であったが、女性は357日と大きく開いていた。また、女性のほうに介護度が重度になるほど、生存日数が短くなる傾向が見られた。年齢を調整した後に、要支援を1としてハザード比をみたところ、男性は要介護度5で2.61倍と有意に高くなっていた。女性は要介護3で2.60、要介護4で2.23、要介護5で4.36と有意に高くなっていた。また、65-69歳を1として、要介護度を調整した後の年齢階級別ハザード比は、年齢階級が高くなるとともに高くなり、男性は80歳以上で2倍以上、90歳で4倍以上と高くなっていた。女性では85歳以上で2倍以上であった。` 以上の結果から、要介護(支援)状態にある人の生存時間は、男性より女性が長かったこと、女性は要介護(支援)度が重度化するほどに、生存時間が短くなるが、男性は女性ほど強い傾向が見られなかったことから、男性はいったん要介護(支援)状態に陥ると、女性よりも健康状態がもろく崩れやすい可能性がある。これらは、各年齢階級の平均余命との関連との検討も今後の課題となる。本研究の対象者2345人は、追跡期間は短いものの、G市における全数調査であり、結果の内的妥当性は高いと考えられる。
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Research Products
(3 results)