2003 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化特異的に発現が亢進する未知のアポトーシス誘導遺伝子の機能解明に関する研究
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15603003
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
福尾 惠介 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (40156758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須原 敏充 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
安田 修 大阪大学, 医学系研究科, 助手
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Keywords | 動脈硬化 / アポトーシス / 新規遺伝子 / ミトコンドリア / 血管平滑筋細胞 / 遺伝子解析 / SNP / 疾患感受性遺伝子 |
Research Abstract |
我々は、Apolipoprotein E欠損マウスより、動脈硬化特異的に発現が亢進する新規遺伝子を同定し、その全長のクローニングに成功した。興味深いことに、この遺伝子は血管平滑筋細胞にアポトーシスを誘導するとともに、ミトコンドリア局在シグナルを有しミトコンドリアに局在して発現することを見いだした。ミトコンドリアは、酸化ストレスの産生部位であり、アポトーシスや老化機構と極めて関係が深い。その後、この新規遺伝子のヒトのcounterpartのクローニングに成功した。現在、この遺伝子のSNP(single nucleotide polymorphism)解析から、心筋梗塞などの動脈硬化疾患に対して感受性を有する新しい遺伝子多型を同定中である。一方、この遺伝子がミトコンドリア移行シグナルを有すること、実際、この遺伝子がコードする蛋白がミトコンドリアに局在することを免疫組織学的検討や、ウエスタン・ブロット法を用いた解析から明らかにしている。また、アポトーシスを誘導する機構として、チトクロームCをミトコンドリアから遊離させることによって、まずカスパーゼ9を活性化し、次いでカスパーゼ3を活性化することを明らかにしている。さらに、この新規遺伝子によるミトコンドリアからのチトクローム遊離作用がBc1-2で抑制されないこと、すなわち、この遺伝子がコードする蛋白がまったく新しいアポトーシス誘導ペプチド・ファミリーである可能性があることを見いだしている。今後、これらの点を明らかにするとともに、ヒトへの臨床応用に向けてさらに詳細に解析する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Suzuki F, Fukuo K, et al.: "Eicosapentaenoic acid protects endothelial cells against anoikis through restoration of cFLIP"Hypertension. 42. 342-348 (2003)
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[Publications] Fukuo K, et al.: "Nifedipine upregulates manganese superoxide dismutase expression in vascular smooth muscle via endothelial cell-dependent pathways"Hypertension Research. 26. (2003)
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[Publications] Yang J, Matsukawa N, Rakugi H, Fukuo K, et al.: "Upregulation of camp is a new functional signal pathway of Klotho in endothelial cells."Biochem Biophys Res Commun.. 301. (2003)
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[Publications] Takemura Y, Fukuo K, et al.: "Fas signaling induces Akt activation and upregulation of endothelial nitric oxide synthase expression"Hypertension. (in press). (2004)
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[Publications] Suhara T, Fukuo K, et al.: "Homocysteine enhances endothelial apoptosis via up-regulation of Fas-mediated pathways"Hypertension. (in press). (2004)