2003 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス制御遺伝子TAIPファミリーの機能解析
Project/Area Number |
15603005
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
秋山 暢丈 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00338865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 科江 京都大学, 医学部, 助手 (40314182)
渡辺 美智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10158660)
山田 尚 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (20130213)
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Keywords | アポトーシス / 情報伝達 |
Research Abstract |
TGF-βに応答する遺伝子のスクリーニングを進め、そのなかで応答が特に強いヒト新規遺伝子TAIP-3に注目し、単離及び構造の決定を行った。同時にこの遺伝子のファミリーを検索しTAIP-2,TAIP-12を単離し構造の決定を行った。 そこで機能ドメインの決定に必要なことから他の種(マウス)に存在するファミリーのcDNAを単離するとともに、構造を決定した。単離された各遺伝子のアポトーシスの活性を調べたところ、細胞の種、起源にあまり依存せず細胞死を誘発し、ファミリー内で保存されているN末端領域のみでアポトーシスを誘導する事が判明した。また、C末端領域を欠如した遺伝子産物は全長のものよりも活性がやや強く観察されることより、C-末端領域が活性の抑制による調節をしている事を確認している。さらにポイントミューテーションによりアポトーシス活性を失った変異体の作成に成功した. 各ファミリーにおいてマウス、ヒトともTAIP-3の活性がもっとも強く、ついで、TAIP-2,TAIP-12の順であった.C.Elegans, Drosophia, African malaria mosquitoにも対応する遺伝子が存在し、やはりN末端領域が保存されていた.尚アポトーシスの確認はアネクシンVとPIの二重染色により確認した。各遺伝子に対する抗体のモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の作成が終了した。得られた抗体で発現とアポトーシス活性の相関及び調節機構の解析を行っている. TAIP-3は造血器、肺、肝臓などに多く発現しているが、TAIP-2の発現は非常に低く、正常な組織としては胎児脳に見られるのみである.TAIP-2は脳の高次構造の形成に関わると考えられるが、ある種の疾患において、神経死にTAIP-2の関与を示唆する症例が見出され、解析を進めているところである.
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