2004 Fiscal Year Annual Research Report
腸上皮内リンパ球による小腸吸収上皮細胞アポトーシス誘導機構の解析
Project/Area Number |
15603007
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
八木 秀樹 近畿大学, 薬学部, 講師 (40250740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益子 高 近畿大学, 薬学部, 教授 (30157200)
中村 雅典 昭和大学, 歯学部, 教授 (50180394)
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Keywords | 上皮内リンパ球 / apoptosis / nude mouse / Scid mouse / 腸上皮細胞 |
Research Abstract |
我々はマウス及びラットに抗CD3抗体を投与し、小腸上皮内リンパ球(i-IEL)を活性化すると、小腸吸収上皮細胞のDNA断片化、すなわちapoptosisを誘導できることを見出した。また、マウスに免疫抑制剤FK506の連続投与を行い、i-IELの機能を抑制することで、絨毛先端上皮細胞においてもapoptosisが阻害され、明らかに機能低下した吸収上皮細胞が絨毛上に残存することも示してきた。 今回は、i-IELが量的、質的に変化している免疫不全マウスを用いて、上皮細胞の形態学的、及び機能的変化を検索した。無胸腺であるnudeマウス、及び成熟T細胞とB細胞を欠如するScidマウスの吸収上皮細胞を検索したところ、上皮細胞微絨毛のアルカリ性フォスファターゼ活性の低下、アミノ酸トランスポーターCD98の発現低下などの機能低下や上皮細胞のintegrinα_6発現低下に基づく、基底膜との接着性の低下も認められた。また、これらの形態、機能不全はScidマウスで特に著しかった。さらに、これら免疫不全マウスに抗CD3抗体を投与すると、対照BALB/cマウスは水性下痢様症状を呈するのに対して、nude及びscidマウスでは、この症状が惹起されなかった。また、組織学的検索においても対照BALB/cマウスにおいて絨毛先端部の上皮細胞の剥離が観察されるのに対し、nude及びscidマウスにおいては剥離が観察されなかった。以上、免疫不全マウスで上皮細胞のapoptosisが低下していることより、やはりi-IELが腸上皮細胞のメンテナンスに重要な働きをもたらすことが示された。
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Research Products
(3 results)