2004 Fiscal Year Annual Research Report
身体による表象「古典舞踊の3次元動作解析」とデジタル動作辞書の開発〜ルネッサンス舞踊と日本の上方舞の比較研究アーカイブ
Project/Area Number |
15604001
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
國枝 タカ子 Ibaraki University, 教育学部, 助教授 (70007805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐生 敬子 聖徳大学, 人文学部, 教授 (20234403)
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Keywords | ルネッサンス舞踊 / 上方舞(地唄舞) / 比較研究 / 身体 / 表象 / 動作辞書 / モーションキャプチャー / らせん動作 |
Research Abstract |
主な研究実績である発見と、ムーブメントの比較研究による動作辞書の開発; 比較舞踊研究の手法を用いて、世界有数の2つの古典舞踊であるイタリア・ルネッサンス宮廷舞踊「バッサダンツァ」と日本・京都大阪の「上方舞」の身体表象を、モーションキャプチャーにより3次元動作解析した結果、両者に共通な定性的特性を、定量的に証明することができた。すなわち上方舞の「らせん動作」とバッサダンツァの「ゴンドラ波動作」には独特の「みやびな」「上品で美しい」と評される「優雅さ」が存在しているが、今回は、この「優雅さ」の表現が、コンピューターにより定量的に立証された。これは世界で初めて証明された舞踊動作における感性的表現の定量化である。 このほかの成果は次の通り。(今回はコントロール群として日本民俗芸能「ヒーヤイ踊」を用いた。) (1)日本人研究者により文献から再構築された「バッサダンツァ」の踊り方が、イタリアのシーナ城中世祭で再現されている「バッサダンツァ」とほぼ一致することが、フィールドワークにより立証された。この結果は比較舞踊学会(2004年)で公開された。 (2)日本学術会議シンポジウム「アートの力〜文化変容の可能性」(京都大学)において、國枝が発見した「らせん動作」と新しく発見された「連綿つなぎムーブメント」の研究結果が報告される。また関連誌で詳細な検討が行なわれた。 (3)上記を受けて、バッサダンツァと上方舞の比較による動作辞書を開発、試作した。 (4)ルネッサンス舞踊から発展したバロック・ダンスへの影響について、プロイセン(現ドイツ)の宮廷舞踊を対象に調査を進めている。かなりの同一性が認められる(鹿鳴館への影響)。
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Research Products
(4 results)
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[Book] 舞踊と身体表現2005
Author(s)
日本学術会議
Total Pages
200
Publisher
日本学術協力財団
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より