2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本の伝統的な響きを軸とする多媒体表象芸術の構造およびその創造過程の研究-作品の創作を通して
Project/Area Number |
15604011
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
猿谷 紀郎 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00324880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 隆則 大阪国際大学, 人文科学部, 助教授 (20209050)
澤田 篤子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00101262)
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Keywords | 表象芸術 / 舞台芸術 / 儀礼 / 民俗芸能 / 日本 / 伝承 / 伝統 / 多媒体芸術 |
Research Abstract |
1)仏教儀礼の現代化:本研究代表者が分担者となっている基盤研究「薬師寺最勝会の創造過程の研究-儀礼・音楽における伝承・創造の視座から」(平成13-15年度)の仏教学面・音楽学面の成果に基づき、儀礼としての機能を保ちつつ、最勝会の「響・動・光・形・香」による舞台芸術化を試みた。本来最勝会には器楽はないが、所依の経典の経説、および同経に基づく御齋会等に倣い、雅楽と打楽器による器楽を4場面について創作した。創作に当たっては、会場である紀尾井ホールの空間での僧侶の動きと音楽との完全なる調和を目指した。なおこの最勝会は11月1日に上演し、芸術祭音楽部門にて「宗教、音楽。美術、演劇などの融合した時空間と言える法会の魅力を見事に伝えた」との理由で大賞を受賞した。 2)日本各地の民俗芸能の調査:新潟県柏崎市女谷の綾子舞および福岡県山門郡瀬高町の幸若舞(国指定重要無形民俗文化財)の調査を行った。前者は神社で行われるものを、地元のみならず外部の観光客にも受容されるよう、特設舞台でPAを駆使して上演され、他の民俗芸能およびアジアの民俗舞踊との交流も行われた。現代における日本の民俗芸能のあり様の典型的な例の一つといえる。後者は伝統的な姿のままで、神社の舞台で行われたが、テキストが配布され、解説がなされた。聴衆の受容の仕方が変容を示す例である。 3)日本の音風景の音楽化構想:姥捨山を題材にした映画「蕨野行」、中世の話を題材とした放送劇「怪し野」の音楽の創作を行った。 以上の3点の内容の分析は次年度に行うものとする。
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