2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポイントベースレンダリングの拡張による4次元粒子系とスカラ場の統一的可視化
Project/Area Number |
15607008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤代 一成 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (00181347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹島 由里子 日本原子力研究所, 計算科学技術推進センター, 博士研究員 (20313398)
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Keywords | ポイントベースレンダリング / 流体シミュレーション / 粒子シミュレーション / サーフェスレンダリング / ボリュームレンダリング |
Research Abstract |
広義の流体問題のモデル化は,関連物理量の場を定義し,その挙動を時間発展的に記述するオイラー的な方式と,流体を多数の粒子の系とみなし,その多体問題を解くラグランジェ的な方式に二分される.これに合わせて可視化の処理方式も異なり,前者に対してはサーフェスレンダリング,後者に対してはポイントベースレンダリングとよばれる基礎技術がそれぞれ対応してきた.ところが近年,より複雑な現象の解明に向けて,両者にまたがるハイブリッドシミュレーション方式が種々の問題に適用され始めてきている. そこで本研究では,2000年にPfisterらによって発表された,ポイントの密な集合によって面を可視化するサーフェル(surfels=surface elements)のコンセプトを拡張し,物理場の分布や粒子の挙動を統一的に可視化する方式を開発した. 次に,この方式をベースに,旧来のサーフェスレンダリング,ボリュームレンダリング,パーティクルレンダリングのいずれも実行可能な汎用的処理系を開発し,以下の2種類の具体的な問題に適用して,その効果を実地的に検証した: 1)放射性廃棄物の地層処分シミュレーション[データ提供:(株)富士総合研究所] 放射性廃棄物の地層処分に伴う多孔物質内のコロイド粒子拡散のシミュレーションデータに適用した.多孔物質内部の構造体の壁面,地下水の流速,コロイド粒子の密度分布をすべて同一の処理系で描くことに成功し,とくに複雑な形状をもつ多孔物質内部の構造体の壁面は従来法よりも20倍程度の高速化が達成された. 2)砕波のビジュアルシミュレーション[基本データ提供:越塚誠一氏(東京大学)] 拡張サーフェルの処理系を,複雑な様相を呈する自然現象のなかでも最も表現の難しい砕波の統一的レンダリングに適用した.2次元鉛直断面の水柱崩壊現象を定性的に模擬したMPS(Moving Particle Semi-implicit)法のデータを,平行補間と飛沫粒子生成の2種類の方法によって疑似3次元化し,拡張サーフェルによってレンダリングを行うことで,うねり,さざなみ,しぶきの基本要素が混在するアニメーションを作成できた.
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