2004 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞を標的としたレトロウイルスベクターの開発
Project/Area Number |
15609001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
箕口 滋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60322757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 英夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60111449)
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Keywords | 幹細胞 / ES細胞 / 遺伝子治療 / レトロウイルスべクター / DNAメチル化 / MSCV / MLV |
Research Abstract |
本研究では組織幹細胞において発現を維持できるレトロウイルスベクターの開発を目指して、マウス白血病ウイルス由来のMLVベクターがマウスES細胞において不活性化される現象の分子的基盤の解明を試みている。MLVベクターを改変したMSCVベクターはESやECなど未分化な幹細胞において発現が許容されるが、長期間培養中に漸発現が失われることが知られている。本年度は、このMSCVにおける発現抑制機構の詳細な解析を行うことで、レトロウイルスベクターのさらなる改良の可能性について探求した。Cell Sorterを用いた発現解析に依り、ES細胞におけるMSCVの発現抑制は、発現強度が徐々に低下することによって引き起こされているのではなく、All-or-Noneに発現を突然消失していることを確認した。次に、発現抑制の原因となる分子機構の探求を行った。Bisulfite Sequence法やGenomic Southern法によってProvirus DNAのCpGメチル化が発現の抑制と極めて高い相関があることを見い出した。また、Provirus領域のヒストン修飾の関与も検討した。ヒストンH3・H4のリジン及びアルギニン残基特異的アセチル化及びメチル化修飾抗体を数多く用いてProvirusのLTR領域のクロマチン免疫沈降実験を行ったが、試みた全ての抗体について発現抑制との間に強い関連性を見い出すことは出来なかった。また、重感染実験を行い同一細胞内の異なるProvirusの発現抑制は互いに独立であることを見い出した。このことからMSCVのGene Silencingはpromoter-specificな転写抑制に依るものと結論された。以上の結果から本年度は、Provirus DNAのメチル化がMSCVの発現抑制に中心的な役割を果たしていることを示すことが出来たと考えられる。
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Research Products
(2 results)