2004 Fiscal Year Annual Research Report
グラフィカルモデリングを用いた話し言葉音声認識の研究
Project/Area Number |
15650028
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠田 浩一 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (10343097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古井 貞煕 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90293076)
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Keywords | 音声認識 / 計算音声学 / グラフィカルモデリング / 話し言葉工学 / 隠れマルコフモデル / 話者適応化 |
Research Abstract |
グラフィカルモデリングの手法を用いて、音声の内在構造を抽出することを目的とし研究を進めている。将来的には話し言葉の音声認識性能の向上を目標としている。初年度である昨年度は、話し言葉音声における音声の特徴の把握、グラフィカルモデリングのツールの準備を行った。今年度は、実際にグラフィカルモデリングツールを用いた音声のモデル化を行い、その性能を評価した。 話し言葉音声は、読み上げ音声とは異なり、一般に話速が大きく、また、調音結合(発声のなまけ)が大きい。そのため、従来の隠れマルコフモデル(HMM)を用いた音声認識では、認識性能が70%と、読み上げ音声と比べると性能が劣る。我々は、グラフィカルモデル、特にその中でも、時系列データに対応したダイナミックベイジアンネットワークを音声に応用する研究を進めている。これは、従来のHMMに代表される画一的な認識単位をベースとしたモデルより、より自由度の大きいモデルを用いることで、音声の様々な現象に対応することを目的としたものである。本年度は、調音器官の運動を主に表す弁別素性に着目し、グラフィカルモデリングの手法を用いて音素をそれら弁別素性の束として表したモデルを用いて、認識性能をあげることを試みた。従来、音素により一意に固定されていた調音器官の位置を、非同期的に変化させることにより、調音結合を効果的に表現することを狙っている。単語発声を対象とした認識実験で、このモデルを評価したところ、従来のHMMに比べ若干の改善を得た。 現在は、計算量・メモリ量などの制限からまだ限られた条件での実験のみ可能であるが、今後、グラフィカルモデリングにおけるグラフ構造最適化アルゴリズム、条件付確率の推定アルゴリズムなどの改良を行うことにより、話し言葉など文章発声に対応させるとともに、より精緻なモデリングを行うことで性能を改善させる計画である。
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Research Products
(4 results)