2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15650036
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
酒井 直隆 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90235119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋脇 聡 宇都宮大学, 工学部, 助手 (10344904)
庵原 昭夫 宇都宮大学, 工学部, 教授 (20091655)
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Keywords | ロボット / 手 / 人工指 / 触感 / 感性 |
Research Abstract |
ロボットハンドの指先にヒト指の力学特性を持たせることができれば、特定の作業のみならず、安定した「つかむ」動作により多様な作業への応用が考えられる。本研究では力学的にヒト指と同様の変形特性を有する指モデルの作成を目的とした。澱粉水溶液を用いて指モデルを作成し、ヒト指の力学的変形特牲と比較した。また、ヒト指の触感を持つ指モデルがヒト指と同様の変形特性を有するかについて検討した。指モデルの作成は以下の手順で行った。澱粉を蒸留水に溶解し、ポリエチレン製手袋の示指部分に入れ密封した。これを加熱し、室温(23℃)まで冷却後、骨モデルであるアルミニウム板を貼り付け、指モデルとした。作成した指モデルの澱粉水溶液の濃度は6、11、16、21、26%の5種類で、各5個ずつ作成した。指モデルの力学的変形特性の撮影はCCDカメラ3台と電子天秤により構成される撮影装置にて行い、電子天秤の天板に指モデルまたはヒト指を押し付け、変形を撮影した。その結果、側面接触長さ比(x/z_0)、正面接触長さ比(y/w_0)面積比(S/S_0)の3つの指標すべてにおいて、11%の指モデルが最もヒト指の力学的変形特性に近かった。一方、指モデルの触感の評価は、各濃度の指モデルを17名の被験者に自由に触らせ、被験者の感性でヒト指に最も近いと思われる指モデルを1個選択させることにより行った。その結果、16%の指モデルを選択した者は6名、21%を選択したものは11名、その他の濃度を選択した者はおらず、感性で最もヒト指に近い触感の指モデルは21%の指モデルであったことが確認された。そして、このことから感性でヒト指の触感に近い判断された指モデルは、必ずしもヒト指に近い弾性を有するわけではないという結論を得た。
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