2004 Fiscal Year Annual Research Report
皮質ローカルサーキットの解明と構成シナプス・ナノ構造解析の試み
Project/Area Number |
15650066
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
遠山 稿二郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10129033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 成大 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20112592)
平野 紀夫 岩手大学, 農学部(獣医), 助教授 (40092308)
端川 勉 岩手医科大学, 理化学研究所脳科学総合研究センター, チームリーダー (10048556)
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Keywords | 神経親和性ウイルス / コロナウイルス / トレーサー / 急速凍結法 / 神経回路網 / 凍結超薄切法 / 電子顕微鏡 / シナプス |
Research Abstract |
●本年度は、初年度に確定した条件を用いて、ブタコロナウイルス(HEV)のトレーサー実験を継続した。通常用いられているシナプスを越えないトレーサーと併用し、線維連絡先でのHEV陽性細胞が、一次感染によるものか、他の神経細胞を介して、経シナプス的に感染(二次感染)したものかを判別することを試みた。その結果、一部のトレーサーはHEVのウイルス活性を抑制する可能性が認められた。HEVとの併用が可能であったのはコレラトキシンBユニット(CTB)であった。CTBを併用し、一次感染神経細胞とシナプスを経由したHEVに感染した二二次感染以降の神経細胞を識別することができた。【北米神経科学学会発表】 ●当初、聴覚系に関連する領域での検索を行っていたが、今後の研究を考えると、HEVの詳細な感染様式をタイムテーブルとともに把握し、皮質ローカルサーキット解明の基礎的データとすることが先決である、との判断から、実験系を、一時的に線条体-黒質系に変えた。また、極微少のHEV(例えば1PFU程度)を投与し、その後の経過をみたところ、一定の領域内で1個の感染細胞が認められる時期があることが判明し、詳細なネットワーク解析に有力なツールとなりうることを確認した。 ●シナプスのナノ構造解析の手法として、急速凍結した神経組織を凍結走査電子顕微鏡で観察する新しい手法を確立し、論文とした。【Brain Research Protocols 14(2005)100-106】また、フェリチン標識レクチンによる超微形態における糖鎖の解析法を開発に着手し、進行中である。 ●上記の結果を受け、細胞内注入の必要性が減少したため、本年度は細胞内注入実験を実施しなかった。
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Research Products
(5 results)