2003 Fiscal Year Annual Research Report
マウス前脳虚血モデルの樹立とRNA干渉を用いた遺伝子導入マウスの作製および解析
Project/Area Number |
15650067
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
芝崎 太 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (90300954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内野 博之 東京医科大学, 八王子医療センター・麻酔科, 講師 (60266476)
加藤 裕之 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30301732)
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Keywords | 免疫抑制剤 / 虚血 / カルシニューリン / 遺伝子改変動物 / RNA干渉 / カルシウム / 前脳虚血モデル |
Research Abstract |
(1)マウス前脳虚血モデルの樹立 これまで、マウスの前脳虚血モデルを樹立するため様々な検討を行ってきた。手術視野が狭いことや、結紮すべき血管の大きさ、また頭部の温度管理等、様々な解決すべき問題点があった。本研究では、温度管理のため手術野および手術用顕微鏡をアクリルボードで覆い、全体を37℃に保てるシステムを構築した。さらにはマウス個体間や手術手技自体の誤差をなくすため、赤外線脳血流計を用いて虚血効果を定量化した。これによりさらに虚血の正確性が増した。 (2)カルシニューリン活性により制御されるNCX受容体の機能解析 海馬のスライスを用いたin vitroの実験系において、CsAおよびFK506の投与により、低酸素刺激による細胞内カルシウム上昇がきわめて効果的に抑制できることが判明した(東京薬科大学、工藤佳久教授との共同研究)。これらの薬剤の共通のターゲットであるカルシニューリンが、カルシウム受容体(細胞膜、または細胞内)を制御していることを示している。現在、遅発性に起こる細胞内カルシウム上昇がNa/Ca exchange transporter (NCX)受容体、特にNCX2受容体がカルシニユーリンにより制御されていることが判明しているが。本研究では、虚血による細胞内カルシウムの上昇にこのNCX2受容体が重要な役割を果たしていることが予想されたため、まず、NCXの各サブタイプの抗体を用いて虚血ラット海馬におけるNCXのを調べた。NCX1および2は虚血後12-24時間で海馬神経細胞に発現の上昇がみられた。次に、カルシニューリンを含むこれらの遺伝子に対してsiRNAを作製した。まず、カルシニューリンに対するsiRNAは6種類のうち2種類がサブタイプ別に効率よくカルシニューリンを抑制した。さらにNCXに関しては現在作製中である。今後はこれらのsiRNAを用いて培養細胞や遺伝子改変動物(ノックダウンマウス)を作製しさらに解析を進める予定である。 (3)NCX2のKOマウスを用いた虚血モデルの解析 現在、共同研究にて福岡大学医学部岩本博士がNCX2のKOマウスを作製しており、このマウスができ次第、虚血マウスを作製し、詳細な解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tomida T, Hirose K, Takizawa A, Shibasaki F, Iino M: "NFAT functions as a working memory of Ca2+ signals in decoding Ca2^+ oscillation"EMBO J.. 22. 3825-3832 (2003)
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[Publications] 内野博之, 芝崎 太, 石井脩夫: "「脳を守るための戦略」虚血性神経細胞死の分子機序と薬物療法による脳保護の可能性について"Lisa. 11. 114-117 (2004)
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[Publications] 芝崎 太, 内田和代: "新規同時他項目アッセイシステムeTagの応用"バイオベンチャー. 18. 38-40 (2004)
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[Publications] 芝崎 太, 内野博之: "特集「病態とアポトーシス」虚血による神経細胞死とカルシウム・カルシニューリン"Biotherapy. 18. 23-26 (2004)
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[Publications] 内野博之, 芝崎 太, 石井脩夫: "虚血性神経細胞死におけるカルシニューリンの役割"臨床検査(医学書院). 12-18 (2003)