2003 Fiscal Year Annual Research Report
味細胞内情報伝達のin situイメージング法による甘味感知の分子機構の解明
Project/Area Number |
15650069
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 謙造 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00292730)
|
Keywords | 味細胞 / 甘味 / カルシウム / イノシトール三リン酸 / トランスジェニック |
Research Abstract |
本研究では、GFP(緑色蛍光蛋白)をベースとした蛍光性分子プローブを味細胞特異的に発現させたマウス(味細胞機能レポーターマウス)を作製し、生きた味細胞の細胞内情報伝達物質応答を直接in situでイメージングする技術を開発し、この実験系を用いて甘味を感知する分子機構の解明を目指している。この目的実現のため、1)細胞内シグナル分子に対する蛍光プローブを味細胞特異的に発現するマウス個体(味細胞機能レポーターマウス)の作出、2)甘味物質に対する味細胞内シグナル応答の可視化解析、3)受容体候補遺伝子発現パターンの解析、という流れで研究を遂行するが、平成15年度においては味細胞内カルシウム応答を解析しうるマウスの作製を試みた。まず、味細胞内におけるカルシウム動態を可視化するためには、遺伝子として細胞に導入・発現が可能であるカルシウムプローブが必要であるため、改良型のGFPおよびカルモジュリンをベースとして蛋白質性蛍光カルシウムプローブを作製した。味細胞特異的な蛍光プローブ発現のため、ガストデューシンプロモーター領域をクローニングした。ガストデューシンプロモータ領域下流にカルシウムプローブ遺伝子を繋いだコンストラクトを作製し、マウス受精卵に導入し、トランスジェニックマウスの作出を試みた。産仔についてトランスジーンの存在をPCR法およびサザンブロット法で確認した結果、トランスジーンを持つマウスを得ることに成功した。今後、これらマウスについて、味蕾特異的なプローブの発現を内因性のガストデューシンの免疫組織染色と比較することによって、適切な発現パターンを持つマウス系統を樹立する見通しをつけることができた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 井上尊生 他: "Spatiotemporal Laser Inactivation of Inositol 1,4,5-Trisphosphate Receptors Using Synthetic Small-Molecule Probes."Chem.Biol.. 10. 399-412 (2003)
-
[Publications] 白根大資 他: "Enzymatic production of RNAi libraries from cDNAs."Nature Genet.. 36. 190-196 (2004)