2003 Fiscal Year Annual Research Report
飼育室排気系ダストを用いた実験動物ウイルスゲノムの新リアルタイム検出法の開発
Project/Area Number |
15650081
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 浩 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (50072947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 一貴 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 助教授 (90244756)
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Keywords | ダスト / 排気 / エアロゾル / PCR / ゲノム / 実験動物 / 飼育室 |
Research Abstract |
今年度、排気系フィルターダストからのPIV3検出感度および特異性を検討し、検出条件の設定をめざした。 MHVの遺伝子診断の場合、転写量の最も多いNタンパク領域をタ-ゲットに、 1st PCR用の KOF1:5'-ATGTCTTTTGTTCCTGGGCA KOR1:GTGATTCTTCCAATTGGCCA 2nd PCR用の KOF2:TCATGAAAGTGYTGAATGAG KOR2:CTACTTACATTTCGCTGCAC の計4種類のプライマーを設計してRNA-nested PCRを行った。Single-Step AGPC法を用いてフィルターダストから総RNAを調整し、これをテンプレートとしてKOR1をプライマーにリバース反応(37℃、60分間反応)を行い、cDNAを調整した。各cDNAをテンプレートとして1st PCR、さらにこれをテンプレートとして2nd PCRを行った。2nd PCR産物を2%アガロースゲルで電気泳動すれば、175bpサイズのバンドが検出された。この診断法は、数分子のcDNAが存在すれば検出可能なきわめて高感度な方法であることが判明した。しかしながら現有設備では、ダストの採集からバンドの確認までに7-8時間を要し、新たな感染が発見された場合に"その日のうちに(on the day)"対応することが困難であり、来年度導入を計画している「コスモアイ」を利用すれば、電気泳動・染色・観察の過程を約10分に短縮することが可能で、現状より1時間以上の時間短縮を図ることができる。 パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)については、我々が全塩基配列を明らかにしたGp株(J.Vet.Med.Sci.1998、DDBJ登録済)などを参照してプライマーを設計した。PIV3株の特性についての興味ある情報が得られると予想される。
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