2003 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学デバイスへの応用を目的とした毛細血管を誘導するScaffoldの解明
Project/Area Number |
15650100
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (00307670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
野一色 泰晴 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60033263)
大越 隆文 湘南鎌倉総合病院, 心臓血管外科, 部長
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Keywords | 毛細血管 / 細胞親和性 / Scaffold / 小口径人工血管 |
Research Abstract |
ティッシュエンジニアリングにおいて重要とされている要素には(1)Cell、(2)Mechanical Stress、(3)Regulators、(4)Vasculature、そして(5)Matrix (Scaffold)が挙げられる。これらの一つでも欠けると、細胞の増殖能が低下、組織として機能しないといったことが起き、意図した機能再生が十分に行われない原因となりうる。サイトカインやずり応力に対する細胞挙動等に関する検討は数多く行われ、かなりの部分が解明されているが、重要であるにもかかわらずScaffoldに関する検討は少ない。また、良好に培養構築された再生組織細胞を生体内へ植込むと、組織として維持できないということが報告されている。整備されたin vitro環境では、組織構築された細胞すみずみまで栄養分を補給することが可能でも、in vivo環境はより厳しいものと考えられる。この問題を解決するためには、構築した組織の細胞へ十分な栄養分を供給するための毛細血管が必須である。毛細血管形成については多角的に多くの検討がなされているが、本研究では毛細血管を誘導するScaffold構造の検討を行うことを目的としている。これまでの検討では、多孔質ポリウレタン製Scaffoldを円筒形(内径1.5mm)に試作し、その構造を走査型電子顕微鏡により観察、撮影し、作成した構造解析用ソフトウェアにより定量的な評価を行い、小口径人工血管としてin vivo評価を行った。ラット腹部大動脈への置換では、多孔質性が高く、管壁に空隙が多いものほど細胞親和性が高い結果が得られている。現在、細胞親和性に関してより厳密に検討するためのin vitro評価として、試作Scaffold上での細胞培養実験を行っているが、詳細な検討にはさらに実験を行う必要があり、時間を要するため、次年度の実績報告書にて結果を報告する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 矢口俊之: "人工血管壁構造評価への周波数解析法の応用に関する検討"生活支援工学系学会連合大会講演予稿集. 49 (2003)
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[Publications] 若森健: "画像処理による繊維性多孔質人工血管の表面構造解析"生活支援工学系学会連合大会講演予稿集. 56 (2003)
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[Publications] 矢口俊之: "画像の周波数解析による人工血管構造評価方法に関する研究"生体医工学. 第41巻特別号. 310 (2003)
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[Publications] 吉岡大輔: "繊維径を指標とした多孔質ポリウレタン製小口径人工血管の開存性に関する研究"生体医工学. 第41巻特別号. 308 (2003)
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[Publications] 若森健: "繊維性多孔質小口径人工血管の製作と表面構造評価に関する研究"生体医工学. 第41巻特別号. 309 (2003)
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[Publications] 矢口俊之: "繊維性多孔質ポリウレタン製小口径人工血管のin-vivo評価における検討"人工臓器. Vol.32 No.2. S-80 (2003)
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[Publications] T Yaguchi: "Fiber diameters of fibrous polyurethane in a graft wall influence on patency in microporous polyurethane small diameter vascular garafts"ASAIO Journal. Vol.49/No.2. 213 (2003)