2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中片麻痺に対する健側拘束療法の脳機能再構築効果に関する研究
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15650123
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 慎也 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門・ニューロバイオニクスグループ, 研究グループ長 (40211312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 秀和 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (20356801)
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Keywords | 大脳皮質運動野 / 大脳皮質体性感覚野 / 大脳皮質誘発電位 / 大脳皮質機能再編成 / 脳梗塞 / 神経可塑性 / 前肢運動障害 / リハビリテーション |
Research Abstract |
(1)片側運動野神経組織壊死による大脳皮質機能再構築:前肢運動障害の回復との関係 ラットを用いて、大脳皮質運動野の前肢支配領域(MIFL)を含む片側運動皮質損傷後の運動障害回復過程と損傷周辺及び対側運動皮質における機能再編成(functional reorganization)の関係を調べた。損傷後の前肢運動(リーチング)障害は、連日の訓練により4週間程度でほぼ回復した。損傷後6週間目に、損傷周辺部位と対側運動皮質をICMSで調べた結果、対側運動皮質において、両側性の前肢運動支配領域の出現・拡大が観察された。損傷後に運動訓練を行わなかったラットにおいては、両側性支配領域が観察されなかったことから、このような運動野機能再編成にリハビリ訓練が重要な役割を演じている可能性が示唆された。 (2)脳梗塞動物モデルにおける体性感覚皮質の誘発電位応答の変容機構の研究 photothrombosis法により片側大脳皮質体性感覚皮質の前肢領域に梗塞を作成し、前肢神経の電気刺激に対する梗塞皮質周辺の誘発電位応答を経時的に記録・解析した。梗塞作成後、誘発電位の振幅は徐々に増大する傾向にあり、6時間後には有意に増大した。また、刺激間隔100msの2連刺激テスト(paired-pulse test)では、促通指数(振幅2/振幅1)が梗塞後1-6時間の間有意に増加していた。さらに、von Frey hairによる手指触刺激に対する大脳皮質対応領域の多ニューロン応答を用いて受容野を調べた結果、梗塞後に拡大することが明らかになった。これらのデータから、急性期の梗塞皮質周辺において、興奮制の増大を示唆する可塑的な変化が生じていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hiroshi Fujioka, Hidekazu Kaneko, Shinya S. Suzuki, Kunihiko Mabuchi: "An in vivo investigation of hyperexcitability in the hyperacute stage following a focal ischemia on the rat primary somatosensory cortex (S1)"Stroke. (in press). (2004)