2004 Fiscal Year Annual Research Report
ボディワークによる生理心理学的変化の検討-背中への接触・振動に伴う心身の影響-
Project/Area Number |
15650128
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高柳 茂美 九州大学, 健康科学センター, 講師 (80216796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 秋三 九州大学, 健康科学センター, 教授 (80145193)
永野 純 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (10325483)
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Keywords | ボディワーク / 状態-特性不安 / 感情状態 / 免疫能 / ボディトーク / からだほぐし |
Research Abstract |
本研究では、発声を伴うボディトークの体ほぐしが免疫能や精神的健康度、感情状態、不安といった心理的指標に及ぼす一過性の影響について検討する。ボディトークでは、体ほぐしの際に「声を出す」ことが要求される。これは「発声・呼吸によってからだをほぐす」というボディトークの考えに基づくものである。昨年度の研究では、発声による影響を排除するため、声を出さずに実験に望んだ。本実験では、ボディトーク本来の技法に従い、発声を伴う体ほぐしを行うものとした。この技法は、被験者(受け手)が伏臥位になり、他者(仕手)が両手のひらで背中をはじめ全身をゆすったり、たたいたりし、その際、受け手は「あー」という声を発生するものである。これは、身体に振動を与え、筋をほぐしていくことを目的にしたものであり、同時に二者の触れ合いという身体的接触を通しての心理的効果も期待している。 対象者は、健常者女性8名であり、測定内容として、心理学的指標〔GHQ(General Health Questionaire)30項目版、状態-特性不安、POMS〕、生化学的指標〔白血球数、NK細胞活性、CD4/8比、IL-6、アドレナリン、ノルアドレナリン、唾液コルチゾール、唾液IgA〕を測定した。 研究手順として、 (1)被験者は、あらかじめ、GHQ、特性不安尺度に回答した。30分間の安静後、血液および唾液を採取し、状態不安尺度、POMSに記入した後、30分間のボディトークのからだほぐしを実施した。終了直後、同様に血液および唾液を採取し、状態不安尺度、POMSに記入した。 (2)さらに、1週間ごとに2回のコントロール状態(安静状態、マッサージチェア)による測定日を設定した。30分間の安静の後、血液および唾液を採取し、心理学的質問調査を記入した後、30分間の安静状態もしくはマッサージチェアによるマッサージを実施し、その後、実験日と同様の測定を行った。現在、実験は終了し、データを入力中であり、統計処理として、得られたデータに関して分散分析を行い、試行前後の生化学的指標・心理学的指標の比較検定を行う予定である。
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