2003 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴分光法を用いた筋グリコーゲン測定法の確立と競技者への応用
Project/Area Number |
15650139
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
高橋 英幸 独立行政法人日本スポーツ振興センター, 国立スポーツ科学センター・スポーツ科学研究部, 研究員 (00292540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝沢 修 シーメンス旭メディテック株式会社, MSM Division, チーフサイエンティスト
奥脇 透 独立行政法人日本スポーツ振興センター, 国立スポーツ科学センター・スポーツ科学研究部, 研究員 (20274871)
柳沢 修 独立行政法人日本スポーツ振興センター, 国立スポーツ科学センター・スポーツ科学研究部, 研究員 (50371159)
川中 健太郎 新潟医療福祉大学, 健康栄養学科, 研究員 (80339960)
丸山 克也 シーメンス旭メディテック株式会社, MSM Division, 主査
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Keywords | 磁気共鳴分光法 / 炭素 / グリコーゲン / 筋肉 / 競技者 |
Research Abstract |
本年度は、国立スポーツ科学センターに設置されているMR装置を用いて、炭素を対象とした磁気共鳴分光法(^<13>C MRS)を用いた測定を可能にできるような環境整備と、標準溶液およびヒトの筋肉を対象とした基礎的実験を行った。 まず、測定環境の整備として、^<13>C MRS測定に必要となる、直径10cmの炭素とプロトンのダブルチューンのサーフェイスコイルを設計して新たに作成するとともに、そのコイルを用いた^<13>C MRS測定を可能にするためのソフトの作成とインストールを行った。さらに、ヒトを対象とした実際の測定が長時間におよぶため、被験者に対するストレスを軽減させるための環境整備も行った。 次に、作成したコイルとソフトを用いた^<13>C MRS測定を行うための最適条件を検討するために、ファントムとヒトの筋肉を対象とした基礎的な実験を実施した。ファントム実験として、1-^<13>Cグルコース水溶液とグリコーゲン水溶液を含んだファントムをそれぞれ作成し、コイル感度の検証と最適なデータ収集条件の検討を行った。さらに、これらの基礎データを基にして、ヒトの大腿部を対象とした^<13>C MRS測定を試みた。これらの結果、開発したコイルを用いることにより、^<13>C MRS信号の収集が可能であることが確認された。 一方、^<13>C MRSを用いた筋グリコーゲンの定量的評価を行うための基礎実験として、ヒトの筋肉を対象としたグリコーゲンの生化学的分析方法の検討を行い、その実用性を検証することができた。本年度は、コイルの作成が難航したため、^<13>C MRSを用いたグリコーゲン量測定の厳密な定量性の試験まで行うことができなかったが、競技者への応用も含めて、次年度における検討課題となる。
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