ストレス予防分子遺伝学の開発

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15650140
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 白川 太郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (40196613)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小泉 昭夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (50124574) ; 玉置 知子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10172868) ; 定藤 規弘 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00273003) ; 山崎 暁子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80343226) ; 玉利 真由美 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター, 研究員 (00217184)
• Keywords: ストレス / functional MRI / 内分泌系(コルチゾール) / SNP

Research Abstract

研究目的
ストレスを予防するためには適当な生理学的指標を見つけ、そのメカニズムを解明する必要があり現在の所コルチゾールがその最も優れたマーカーである。しかしストレスに関連した内分泌系-神経系の相互作用とそれに関連した各個人の遺伝的背景の違いが各人のストレス反応を制御している観点からの研究は見られていない。そこで萌芽的研究の必要があると考えられる。
研究方法
磁気共鳴装置は、測定時に大きな音を伴うものであり、その音自体がストレスとなる可能性がある。磁気共鳴装置の測定時の騒音が課題遂行時の唾液中コルチゾールに与える影響を検討することにした。健康成人を対象とし、唾液の採取を課題10分前、直前、直後、10分後、20分後、30分後に行った。
研究結果
(1)課題には、磁気共鳴装置の測定時の解剖スキャンの音をヘッドホンで10分間聞くというものを用いた。スピーカーから解剖スキャン中の音、課題遂行中の音を聞くという条件と音なし条件での検討を先に行ったが、唾液中コルチゾールの値に変化は見られなかった。
(2)今回の被験者は男性10名、女性10名であり、それぞれの平均年齢は、23,1、25,6歳であった。
(3)唾液採取は、Salivette (Sartzstedt, Germany)を用い、被験者本人により行われた。コルチゾール測定は、三菱BCLに依頼し、市販のキットを利用したRadioimmunoassay法が使用された。Visual analogue scale (VAS)により、ストレス程度を測定した。唾液中コルチゾール値は、音呈示後に有意に下降した。音呈示群、コントロール群の差は認められなかった。
一方、VASスケールは、音呈示群では、音呈示後に有意に上昇したが、コントロール群では、その傾向は認められなかった。
また、性・年齢を調整した検定も行ったが、その影響は認められなかった。

Research Products

• [Publications] Shimada T, Cheng L, Ide M, Fukuda S, Enomoto T, Shirakawa T: "Effect of lysed Enterococcus faecalis FK-23(LFK) on allergen-induced peritoneal accumulation of eosinophils in mice."Clin Exp Allergy. 33. 684-687 (2003)
• [Publications] Peisong G, Mao XQ, Enomoto T, Feng Z, Bottini F, Bottini E, Shirakawa T, Sun D, Hopkin JM: "An asthma-associated genetic variant of STAT6 predicts low burden of ascaris worm infestion."Genes and Immunity. 5. 58-62 (2004)
• [Publications] Nakajima T, Iikura M, Okayama Y, Matsumoto K, Shirakawa T et al.: "Identification of granulocyte subtype-selective receptors and ion channels by using a high-density oligonucleotide probe array."J Allergy Clin Immunol. 113. 528-535 (2003)
• [Publications] Akahoshi M, Ishihara M, Remus N, Uno K, Miyake K, Shirakawa T et al.: "Association between IFNA genotype and the risk of sarcoidosis."Human Genet. 未定. (2004)
• [Publications] FukudaS, IshikawaH, KogaY, ShirakawaT et al.: "Allergic symptoms and microflora in schoolchildren."J Adlescent Heal. 34(未定). (2004)
• [Publications] Nomura M, Ohira H, Iidaka T, Sadato N et al.: "Functional association of the amygdala and ventral prefrontal cortex during cognitive evaluation of facial expressions primed by masked angry faces: an event-related fMRI study."Neuroimage. 21. 352-363 (2004)