2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15650186
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
福間 浩司 同志社大学, 工学部, 助教授 (80315291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 秀敏 熊本大学, 理学部, 教授 (30170921)
中村 浩 大谷女子大学, 文学部, 教授 (10121873)
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Keywords | 考古学 / 年代測定 / 考古地磁気学 / 古地磁気学 / 定置年代 / 粘性残留磁化 |
Research Abstract |
石器・礎石・石垣などの考古試料が定置された年代を,地球磁場中に置かれた時間に応じて獲得される粘性残留磁化を使って直接求める新しい方法に取り組んでいる.昨年度(平成15年度)は須恵器を用いて熱消磁によって定置されていた間に獲得したと考えられる粘性残留磁化を分離することができた.本年度(平成16年度)は対象とする考古試料を,須恵器だけでなくサヌカイトや黒曜石にも広げ,粘性残留磁化による定置年代を求めるのに適した試料の選別を行うための岩石磁気学的手法の確立のために,熱磁気分析や交流磁化率の測定を行った.熱磁気分析の結果,須恵器においては高温で焼かれたときにできたガラス質の部分には定置年代の測定に適したマグネタイトが晶出していることがわかった.しかし,十分に高温で焼かれていない部分ではチタノマグネタイトが残り,また定置後に風化した部分ではマグネタイトが一部溶脱されており,いずれも定置年代を求めるのに適さないことがわかった.サヌカイトはほぼ例外なくキュリー点が300℃程度のチタンの含有率が高いチタノマグネタイトを含んでいることがわかった.一方,黒曜石はチタンの含有率が低くキュリー点が500℃以上の細粒のチタノマグネタイトを含む.交流磁化率の温度依存性や周波数依存性によって単磁区-超常磁性境界付近の粒径分布を求めた結果,黒曜石の産地によって粒径分布に違いがあり,定置年代の測定への適・不適だけでなく,産地の推定にも岩石磁気的性質が使えることがわかった.
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Research Products
(1 results)