2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え作物に起因する遺伝子汚染の評価法に関する研究
Project/Area Number |
15651007
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Research Institution | Musashigaoka College |
Principal Investigator |
茗荷 尚史 武蔵丘短期大学, 健康生活学科, 助教授 (10343724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 裕之 武蔵丘短期大学, 健康生活学科, 教授 (10022625)
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Keywords | 遺伝子組換え / GM / 除草剤耐性 / ダイズ製品 / 意図せざる混入 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
【目的】平成15年度までに市販ダイズ加工品の実に89.7%から組換え遺伝子が検出されるもののその含有率は0.1%程度と、我国の消費流通過程に遺伝子組換え作物が薄く広く浸透しつつある実態を明らかにすることができた。そこで本年度は遺伝子組換え作物に起因する遺伝子汚染の実態を明らかにすべく基礎情報として、現在最も流通および作付け量の多いモンサント社製除草剤耐性組換えダイズRoundup Ready 40-3-2系統中に導入されている遺伝子の解析と遺伝子汚染評価法確立のためのツールの一つとして、人工的連結部の遺伝子産物のみを認識する特異抗体の作製に着手し、それらについての成果が得られたので報告する。 【方法】除草剤耐性EPSPS遺伝子を含む2,485bpにわたる組換え遺伝子の全長をnt -28〜1,316およびnt 1,209〜2,457となるよう重複する2本のPCR断片としてTOPO TA PCR cloning vector (Invitrogen)上にクローニングし、vector armのM13+およびM13-配列を起点として、相補鎖的にシークエンシングを行った。PCRの鋳型として用いたダイズは、あらかじめイムノクロマト法(GENETIC ID)で組換え遺伝子の保有を確認した。特異抗体の作製にあたっては、人工的連結部の予想アミノ酸配列(39aa)の内部システインをアセトアミド基でブロックし、C末端にKeyhole lympet hemocyanin (KLH)を付加した合成ペプチド(7.2mg/100μl)を同量のアジュバント(TiterMax Gold, CysRx)とよく混合して5週齢マウスに接種後、2週間毎3回の追加免疫を行った。 【結果】今回我々が明らかにした塩基配列(DDBJ accession number ; AB209952として登録済)をモンサント社のPatent中に一部公開されている配列と比較したところ、nt 1,111,1,391,1,480および2,406の位置にSNPsを見い出した。これらはいずれもアミノ酸置換を起こし、nt 1,111,1,391,1,480はEPSPS遺伝子の翻訳領域内、nt 2,406はEPSPS gene cassette隣接のリピート配列内に位置していた。特にnt 1,111SNPはArgからCysへのアミノ酸置換を引き起こし、EPSPSの除草剤(グリホサート)との親和性に重大な影響を与える部位であった。これらの結果は組換え遺伝子の可変性を示すものであった。さらに作製した抗体の高い特異性は、Western-blot法で証明された。
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Research Products
(4 results)