2005 Fiscal Year Annual Research Report
水圧振動の共鳴・忌避周波数による水棲病害微生物の選択的駆除と生態系影響評価
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15651012
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大渡 伸 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (80128165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 寛 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (00108359)
熊取 厚志 千葉科学大学, 危機管理学部, 助教授 (60244092)
金田 英子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (10253626)
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Keywords | マンソン住血吸虫症 / セルカリア / ミラシジュウム / 水中音響 / 固有振動 / 周波数特性 / 感染予防 / 生態系影響 |
Research Abstract |
住血吸虫の感染幼虫であるセルカリアは中間宿主の淡水貝から、光刺激により湧出し、ヒトを含む終宿主の皮膚から侵入する。中間宿主へ移行するミラシジウム,終宿主へ移行するセルカリアは、水中で宿主交代が行われる。ミラシジウムは体表に繊毛を有する洋ナシ状で、セルカリアは頭部と尾部の接合部が著明に細い特徴があり、この宿主交代中の生存期間が数日と短いため、遊泳能力が最優先された体形と思われる。従って、住血吸虫を水圧振動で駆除できる機会は、ミラシジウムとセルカリアの2回の水棲期となる。 昨年度までに得られた、水中におけるマンソン住血吸虫症のセルカリアおよびミラシジウムに対する高周波水中音響による影響結果と、ミジンコなど共存する他の微生物への影響について比較実験を行った。 実験結果:セルカリア・ミラシジウムへの影響では(1)セルカリアおよびミラシジウムに対する殺傷効果には、周波数依存性の特性が認められた。(2)最も殺傷効果が高かった周波数は、セルカリアとミラシジウムでは異なっていた。(3)セルカリアに対する影響は、ミラシジウムより低い周波数で殺傷効果が有意に高かった。(4)殺傷効果が最も高い、各々の周波数による3分間の水中音響負荷で、セルカリアおよびミラシジウムは致死率100%に至った。(5)統計上、致死率100%の効果を得るには、最低限1分間の水中振動負荷が必要である。一方、セルカリア,ミラシジウムの致死率100%となる3分間の最大負荷時間に対し、他の微生物の致死率13%と軽微であった。 長期間水中生息する他の微生物と比較し、短期間に次の宿主に侵入出来なければ死滅するセルカリア,ミラシジウムでは、水圧耐性を犠牲にしても遊泳力が高い体形は、合目的的な適応と考えられる。 これ等の結果から、選択的に住血吸虫を駆除する水中振動の周波数および必要最小負荷時間が得られた。従って、住血吸虫症感染に対する有力な予防対策法の開発が期待される。
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Research Products
(2 results)