2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15651036
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤原 和人 熊本大学, 工学部, 助教授 (50219060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣江 哲幸 熊本大学, 工学部, 教授 (90218826)
浅川 牧夫 熊本大学, 教育学部, 教授 (60040060)
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Keywords | 魚類粘質物 / 糖タンパク質 / 表面抵抗低減 / 膜形成 / 親水性 / 糖度 / 微生物接着性 |
Research Abstract |
水中生物の粘質物の特徴を知るため、ウナギとアユの粘質物に含まれている粘質物からクロマト法によって主要構造を形成している糖タンパク質(N-アセチルノイラミン酸とNアセチルガラクトサミンの二糖の糖鎖がポリペプチドとO配糖体結合した構造)をシリル基とシラネート基をゴーティングしたガラス基板上に固定し、この糖タンパク質膜構造がどのような力学的な性質を有するか、海洋生物との接着性にどのような阻害性、特異接着性を示すかを調べた。表面摩擦抵抗の低減効果を調べるために0.3mm程度の流路を通過する流量測定を行った。その結果、ウナギとアユ双方の糖タンパク膜においてガラス基板単体より最高20%程度の流量増加すなわち抵抗低減効果があることがわかった。この低減効果は、アユの方が大きく、さらにシラネート基板の方が大きく現れることがわかった。この流量増加は、固体表面の親水性、疎水性と関係があると考えられるが、表面の接触角測定からは効果の大きいアユの方に高い親水性が見られた。糖鎖は親水性に寄与するので、この高い親水性は糖度を示す屈折率測定結果からアユの高い糖度によるものということがわかった。そこで、膜結合基の種類による差異も考慮して以下のような膜のモデルを考えた。シラネートの正に荷電した端末に魚の糖タンパクの糖鎖が結合し基板に対して強固な結合をなすとともに水中側には安定した糖鎖が伸び、親水性に寄与する。シリル基では、数の少ない糖タンパクのペプチドのN末端が結合することになり、膜としての結合が弱く、水中への糖鎖の露出も不安定なものになる。アユの場合、糖度の高さよりペプチドに対する糖鎖の密度が高いと予想され、膜形成した場合も水中へ伸びる糖鎖の数が多いと考えられ親水性に結びつく。微生物との接着性の阻害効果については海水に基板を浸水し調べるが、まず微生物の付着量を測定するための細胞破壊についての技術を開発した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 藤原和人, 浅川牧夫, 廣江哲幸, 中尾達也: "Cell Ruptures of Microorganisms by Shock Wave and Ultrasonic Wave"ASME PVP Emerging Technology in Fluids, Structures and Fluid-Structure Interactions. 460. 283-286 (2003)