2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15651036
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤原 和人 熊本大学, 工学部, 助教授 (50219060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 牧夫 熊本大学, 教育学部, 教授 (60040060)
廣江 哲幸 熊本大学, 工学部, 教授 (90218826)
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Keywords | 魚類粘着物 / 糖蛋白質 / 抵抗低減 / 峡流路内流れ / 人工血管 |
Research Abstract |
前年までに確認された魚類粘質物抵抗低減効果を環境に対して無害な材料として応用するために、数種類のシラネート系結合剤との親和性について調べた。また親水性と抵抗低減効果に直接的な関係があるかどうかを調べた。さらに人工血管等への応用を考え、細管内部にコートを形成した。 1.結合剤との親和性および抵抗低減効果 ガラスチューブもしくはガラス平面にビニル系、エポキシ系、メタクリロキシ系、アミノ系、フェニル-アミノ系、メルカプト系の官能基を持つシランカップリング剤を塗布し、糖蛋白質のコートによって抵抗低減効果を確認した。ただしメルカプト系は特異的に抵抗低減効果を阻害することが判明した。これに対し微小量PH計でコート面のPHを測定した結果、メルカプト系を用いたコートの場合酸性側にシフトした。これまで考えてきたカルボキシル基と水分子の干渉モデルでは、ガラス面に直接コートした場合に現れるアルカリ側シフトが予想されるため、メルカプト基が糖鎖の配勾構造を撹乱していることが考えられ、この結果は今後抵抗低減効果の物理を知る上で重要な情報となる。 2.親水性と抵抗低減効果の直接的な関係 光触媒効果を利用した接触角2〜3°の超親水性剤による狭流路内コートを行なっても抵抗低減効果を全く示さないことがわかった。すなわち、スリップ層が形成されるためには、コートと水の海面の間の引力だけではなくコート物質が空間的・構造的な揺らきを伴う必要があることが予想される。 3.細管への適用 ガラス細管内壁にコートした場合も抵抗低減効果は表れるが、コート形成に技術を要するので現時点では平板の場合に比べその効果は1/10程度に留まる。しかしながら糖蛋白質コートを樹脂等の有機系の基材に適用するとガラスのような無機系基材の場合と異なり結合力が高いために、比較的良好なコート層が形成される。この場合は5%程度の抵抗低減効果を得ることができた。
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Research Products
(2 results)