2003 Fiscal Year Annual Research Report
自由空間におけるナノ・スケール二液相分離と臨界現象
Project/Area Number |
15651044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 誠 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70182293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大政 義典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30301229)
永谷 清信 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30273436)
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Keywords | クラスター / 臨界現象 / 相分離 / 混和性 |
Research Abstract |
平成15年は、比較的大きなサイズのクラスターを高い効率で生成することができること、連続ビームが得られるためシンクロトロン放射光を利用するX線吸収分光測定に適していること等の理由により、マグネトロン・スパッタリング法を採用したクラスター源の設計・製作を行った。 製作した装置では、マグネトロンからのスパッタによって生成した試料ガスを、液体窒素冷却したアルゴンなどの不活性ガスと混合することでクラスター生成を行う。製作したクラスター源の性能評価を行うため、典型的な金属である、アルミニウムを試料として予備実験を行い、装置パラメータの最適化を行った。本装置では中性クラスターの他に荷電クラスターも生成されるため、予備実験に際しては、中性クラスターと荷電クラスターを弁別するための偏向電極をもうけ、実験パラメータによる中性/荷電クラスター比の評価も行い、十分な強度の中性クラスタービームが得られていることを確認した。製作したクラスター源を既存の実験装置に組み込み、最適化した実験パラメータでアルミニウムクラスターを作製し、質量分析を行い、最大百数十個の原子からなるアルミニウム・クラスターが十分な強度で生成していることを確認した。 また、大型放射光施設SPring-8において、予備的な実験として、クリプトン・クラスターを試料としたX線吸収分光測定を行い、X線吸収後の脱励起過程に顕著なクラスターサイズ依存性があることを見いだした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Nagaya, A.Mori, H.Murakami, M.Yao, Y.Ohmasa et al.: "X-ray absorption and de-excitation processes of krypton clusters studied by the XAFS-PEPICO synchronous measurements"Physica Scripta. 印刷中.
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[Publications] Kiyonobu Nagaya: "EXAFS-PEPICO Synchronous Measurements for the Size-selective Structure Analysis of Neutral Free Clusters"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. 501 (2003)
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[Publications] Y.Kajihara, Y.Ohmasa, M.Yao: "Optical emissivity study of the critical fluctuations in mercury wetting film on sapphire"J.Phys.:Condens.Matter. 15. 6179-6198 (2003)
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[Publications] Y.Hiejima, M.Yao: "Dielectric relaxation of lower alcohols in the whole fluid phase"J.Chem.Phys.. 119. 7931-7942 (2003)
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[Publications] M.Yao, H.Kohno, H.Kajikawa: "Slow dynamics due to the metal-nonmetal transition in liquids"Z.Phys.Chem.. 217. 803-816 (2003)
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[Publications] K.Nagaya, M.Yao, T.Hayakawa, Y.Ohmasa, et al.: "Size-Selective Extended X-ray Absorption Fine Structure Spectroscopy of Free Selenium Clusters"Phys.Rev.Lett.. 89. 243401 (2002)