2003 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の細胞内導入を目的とする細菌毒素を改造したナノマシンの分子設計
Project/Area Number |
15651059
|
Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
榎本 恵一 高知工科大学, 工学部, 教授 (20128127)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐塚 正樹 常盤短期大学, 生活科学科, 講師 (60305852)
|
Keywords | タンパク質 / 細胞内導入 / 細菌毒素 / ナノマシン / 分子設計 |
Research Abstract |
コレラ毒素、大腸菌易熱性毒素、ベロ毒素等の細菌毒素は、毒素活性を持つAサブユニットと、細胞表面の毒素受容体(糖脂質であるガングリオシド)に結合する役割を持つBサブユニットの2種のタンパク質から構成されている。細胞表面のカベオラと言う凹部のガングリオシドに結合した毒素は、エンドサイトーシスによって細胞内へと取り込まれてゆく。本研究では、このBサブユニットと毒素受容体との特異的相互作用を利用して、目的のタンパク質を細胞内へ導入するためのタンパク質分子を設計する。 15年度は、Bサブユニットとしてコレラ毒素及び大腸菌易熱性毒素のBサブユニットを選び、その遺伝子を大腸菌内で発現させることによって、組換えBサブユニットを得ることに成功した。この組換えBサブユニットとガングリオシドとの相互作用を、ELISA法によって検証中である。また、この組換えBサブユニットに結合させ、細胞内へ導入するタンパク質として、蛍光による検出が容易なタンパク質であるGreen Fluorescence proteinを選択した。現在、Green Fluorescence proteinをBサブユニットと結合できるように、その遺伝子を改変中である。さらにアレルギー症の治療に応用できる可能性のあるタンパク質として、スギ花粉タンパク質中の花粉症の原因となる複数の抗原決定基を選択し、Bサブユニットと融合したタンパク質として発現できるよう、遺伝子を設計した。また、培養細胞系を用いたタンパク質の細胞内導入の追跡のため、蛍光顕微鏡を用いた観察を検討中である。
|