2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15651064
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小林 峰 独立行政法人理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (20360547)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜田 進 ラピッド, エンジニアリングチーム, 先任技師(研究職)
加藤 政彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70222429)
曽田 一雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70154705)
山崎 泰規 独立行政法人理化学研究所, 原子物理研究室, 主任研究員 (30114903)
|
Keywords | イオン誘起発光 / イオンチャネリング / 極性結晶 |
Research Abstract |
角度分解イオン誘起発光測定システムの設計・製作を行った。ここで言う角度分解イオン誘起発光測定システムとは、発光する試料へのイオンビームの入射角の関数として発光強度を調べることが可能なものである。角度分解イオン誘起発光測定システムは超短パルスイオンビーム源(既存の中エネルギー同軸型直衝突イオン散乱分光[ME-CAICISS]装置)、ゴニオメータ(既存の試料へのイオンビームの入射角を調整できる装置)上に置かれた発光する試料、ビューポートを通過したイオン誘起発光した光を大気中で集光するミラー系、分光器で構成する。当初、本システムは大気中に置いたレンズ系によって集光することを検討したが、波長の違いによって現れる色収差をなくすことができることからミラー系に変更して設計・製作を行った。 角度分解イオン誘起発光測定を行う立方晶窒化ホウ素(c-BN)単結晶を入手した。入手できたc-BN試料は大きさがほぼ2mmφのもので、結晶構造が閃亜鉛鉱型で対称心をもたない極性結晶である。本試料にME-CAICISSからの100keVのHe^+イオンを入射させた結果、イオン誘起により発光することを確認した。また散乱He粒子の角度依存性を調べた結果、イオンチャネリング(結晶軸あるいは結晶面に沿ってイオンビームを入射させたとき散乱収量が減少する現象)が引き起こり、角度分解イオン誘起発光測定が可能な試料であることがわかった。 現在、c-BN単結晶試料により角度分解イオン誘起発光測定をすべく、測定システムの調整を行っている。
|