2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15651072
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
亀田 壽夫 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (10011660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 頡 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (50251046)
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Keywords | Pareto最適 / Pareto非効率 / Pareto強非効率 / Nash均衡 / Braessパラドックス / 情報通信ネットワーク / 分散コンピュータシステム / 道路交通制御 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度の報告で述べた、提案したパラドックスの大きさを表す指標に基づき、分散コンピュータシステムについて、数値的な検討を行った。システムに、新たにネットワーク結合あるいは処理容量が追加される場合、少なくとも一部のユーザに対する効用が向上することが期待されるが、Nash均衡(やWardrop均衡)の場合、全てのユーザの効用が劣化する場合があり、その場合がパラドックスである。これに対して、Nash均衡やWardrop均衡において、ネットワーク結合あるいは処理容量が追加されると、全てのユーザの効用が向上することが自然に予想される。提案したパラドックスの大きさの尺度にならって、ユーザの効用が向上する大きさの尺度も考えられる。これに基づき、全てのユーザの効用が限りなく大きくなることがある場合の存在が確認された。また、ネットワークを構成するコンピュータが同様である対称的な分散システムの場合、どのような静的な負荷分散方式によっても、容量追加によって、全員の効用が、向上することがないことを示した。これは、対称的な分散システムの場合にパラドックスが限りなく大きくなりうることと対照的である。パラドックスは、これまで、「ネットワークのルーティング」とそれに等価な「分散システムの負荷均衡」において見いだされたが、フロー制御においてもパラドックスが発生する例を新たに発見した。また、Nash均衡は、一般的にPareto最適でないが、Pareto最適な指標であるfairnessとPareto集合との関係を数値的に検討した。既に提案してあるNash proportionate fairnessとの関連も検討した。このように、提案したPareto非効率の程度を表す指標に基づいて、様々な議論を展開することができた。
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Research Products
(6 results)