2005 Fiscal Year Annual Research Report
つるつる路面形成機構とスリップハザードマップ作成に関する研究
Project/Area Number |
15651080
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 信敬 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (70002277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
尾関 俊浩 北海道教育大学, 岩美沢校・教育学部, 助教授 (20301947)
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Keywords | 路面熱収支 / 開空率 / 路面状況 / 融解再凍結 / 表面温度 / 長波長放射 / つるつる路面 / 氷膜 |
Research Abstract |
本年度はまず7月に雪氷防災研究所新庄支所の人工降雪装置を利用して、つるつる路面形成プロセスの室内実験を行った。その結果、つるつる路面の形成には降雪のパターン、圧雪の仕方(積雪の密度と硬度)、気象条件(気温と日射量)が重要な要因であること、さらに体感的に滑りやすい路面とは、表面の滑り摩擦係数が0.23以下の雪氷であることを確認した。次に路面状況予測のため、札幌市において交通量の多い幹線道路、及び代表的な東西道における長期道路気象観測、さらには実験車輌による表面温度及び気象要素の移動観測を行った。観測項目は表面温度、気温、風速、日射量、路温、降水量、開空率である。まず本観測結果を用いて気温から道路表面温度を類推する方法を開発した。ビデオ画像を用いて路面状況を、雪氷面、湿潤面、乾燥面に分け、道路状況別に気温と表面温度の相関式を作り、この推定式を用いて表面温度を推定したところ、±2℃の精度では80〜90%、RMSE(平方平均二乗誤差)では1.3〜2.9℃で予測できた。しかし路面凍結予測の上でこの誤差は大き過ぎるので、次に道路表面温度を予測する熱収支モデルの開発を行った。方法としては道路周辺の構造物や通過車両からの熱的な影響は、熱収支項目の下向き長波長放射の増加に寄与すると考えて汎用熱収支モデルを改良した。その結果、±1℃の誤差なら60〜80%(±2℃の誤差なら90%以上)の精度で表面温度を推定出来た、なおRMSEは1.0〜1.3℃であった。ただ単路部に比べて交差点前の温度予測精度は悪くなった。さらに同方法を用いて移動観測で実測した表面温度も再現出来た。 3年にわたる本研究において、多点に適用出来る表面温度の予測法を開発し、広域雪氷路面の状況変化を予測する(ハザードマップ作成)の手掛かりとなる成果が得られた。
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Research Products
(3 results)