2004 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス解析のための特異的モノクローナル抗体作製法の開発
Project/Area Number |
15651100
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂口 和靖 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00315053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下東 康幸 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00211293)
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Keywords | 抗体 / 酸化ストレス / メチオニンスルホキシド / ペプチド / ビオチン-アビジン |
Research Abstract |
タンパク質の機能制御・安定性変化に関わる修飾の検出・解析には修飾部位を特異的に認識する抗体の使用が必須である。しかしながら、酸化によるタンパク質の修飾部位のみを特異的に認識する抗体は実用化されていないのが現状であり、酸化ストレスによる修飾を特異的に認識する抗体の開発が切望されている。本研究の目的は、「タンパク質の酸化ストレスによるタンパク質修飾を特異的に認識するモノクローナル抗体を開発する」ことである。 前年度において試みたメチオニンスルホキシドのみを認識する抗体の作製は困難であったため、周辺のペプチド配列を含めたメチオニンスルホキシドペプチド特異的抗体の作製を試行することとした。標的のペプチドとして、癌抑制タンパク質p53の四量体形成ドメインを選択した。このドメインには1個のメチオニン残基が存在し、この残基の酸化により四量体形成の不安定化を引き起こすことが知られている。抗原用メチオニンスルホキシド含有p53ペプチドをデザインして化学合成し、マレイミド化したキャリアタンパク質KLHと結合させ、これをBALB/cマウスに免疫した。その結果、血清レベルで非酸化ペプチドよりもメチオニンスルホキシド含有ペプチドにわずかではあるが特異性が見いだされた。現在、これを用いたメチオニンスルホキシドペプチド特異的モノクローナル抗体の作製を進めている。 さらに、より簡便な蛍光性ビオチン化ペプチドの合成のためにon-resin法を検討した。その結果Fmoc-Dap(Dde)-OHを用いる方法を見出した。この方法によりペプチド合成中の樹脂を使用し、効率良く蛍光性ビオチン化ペプチドの調製が可能となった。
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Research Products
(6 results)