2003 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間刊行アヴァンギャルド美術諸誌紙の相互連関性に関する超域的研究
Project/Area Number |
15652007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西野 嘉章 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (20172679)
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Keywords | アヴァンギャルド / 前衛 / 美術雑誌 / ダダ / 未来派 / 構成主義 / 文献 / モダニズム |
Research Abstract |
アヴァンギャルド運動の国際的なネットワークを実証するうえでは、我が国の明治後期から昭和初期にかけての新興芸術運動もまた重要な役割を演じている。こうした観点に立って、本年度は国内における未来派運動(木村荘八、東郷青児、神原泰、村山知義、ダヴィド・ブルリュークなど)に関する一次資料の収集と研究をおこない、その成果を「イタリア未来派研究」(雑誌『ACAC』)の続編「日本のイタリア未来派受容」(40000字)として和英併記で入校し、その一部をすでに連載記事として刊行している。 この研究の過程で、ブルリュークが在日中、ロシアにいる友人セルゲイ・トレチャコフに宛てて贈ったアルバムがオランダの個人収集家のもとに残されおり、そのなかにブルリュークが東郷青児をはじめとする日本の画家について語っている自筆資料、一九二〇年の「日本に於ける最初のロシア画展覧会」、「未来派美術協会展」などに関する未公刊資料の存在することが分かった。これらの資料については、次年度以降も研究を継続してゆく予定である。 また、前衛運動の国際ネットワークの存在を俯瞰的に見せるための手法の研究を商業雑誌(月刊誌『ブルータス』『ペン』『ルッカ』)で行うと同時に、展覧会「チェコに見る装丁デザイン」(印刷博物館)、「プロパガンダ1904-1945」(16年4月オープン予定、東京大学総合研究博物館)の監修作業を通じて、一次資料のカラーポジの作成と「アヴァンギャルド文献」書誌への新たなデータの追加と既存のデータのリファインを行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 西野嘉章: "日本のイタリア未来派受容"ACAC. 4. 62-73 (2003)
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[Publications] Yoshiaki NISHINO: "A/Z on Avant-Grade Magazines(5)"ACAC. 4. 4-20 (2003)
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[Publications] 西野嘉章(共編): "チェコに見る装丁デザイン"印刷博物館. 127 (2003)