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2004 Fiscal Year Annual Research Report

サグラダファミリア大聖堂においてガウディが構想した音楽と楽器に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15652009
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

吉川 茂  九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (80301828)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 矢向 正人  九州大学, 芸術工学研究院, 助教授 (60239738)
芦川 紀子  九州大学, 芸術工学研究院, 助教授 (20336085)
Keywordsサクラダファミリア / 楽器 / 鐘楼 / 合唱 / チューブラベル / 自然観 / 音響ナチュラリスモ
Research Abstract

ガウディによれば、サクラダファミリア大聖堂の全体は1つの巨大な楽器として構想されていた。鐘の音楽と協会における礼拝との間での音響的なバランスをとるべく鐘楼の下部構造は一種のマフラー(消音器)になっている。生誕の門の左側(外から見て)の塔(ツインタワーの形をしている)に着目して、そのほぼ下半分の基本構造を1/25縮尺模型で再現し、上部に音源(「鐘」の代用)を置いて音の伝搬特性について実験した。音源スピーカーから14〜96kHzの広帯域信号を入力し、音響レベルを測定したところ、身廊部では約35dBの減衰があり、隣の塔ではさらに約10dBの減衰が見られた。上部構造からの放射に適合する鐘は細長い形をしたチューブラベル・タイプである。ピッチを決める主要な振動モードは(1,4)であり、両端では円形断面を保ちながら左右の5本(G5,A5,B5,C6,D6にチューニングされている)のベルに関する実験から確認した。ただし、ピッチがいくつかの部分音の寄与によって決まるのではなく、たった1つの振動スペクトルによって決まるので複数本のチューブラベルを組み合わせるときの効果は期待できない。生誕の門のファッサードにおける彫刻群「天使の合唱隊」などから予想される音楽的シーンは「復活祭の鐘の音と合唱の声」とか「エオルスの琴の音を伴奏とする妖精たちの合唱」などである。一方、塔、チューブラベル、螺旋階段などは完結性を意味するポジティブな円環であるとともに「樹木」のように閉ざされることのない「有魂」の「器官」を象徴している。サグラダファミリア大聖堂は鐘および合唱の音楽と合体することによって初めて「母なる自然の創造力と養育力(ゲーテの言う自然の治癒力)」を体現でき、「ガウディの聖堂」にふさわしくなると推測できる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2005 2004

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] チューブラベルの音響解析とピッチについて2005

    • Author(s)
      吉川 茂
    • Journal Title

      日本音響学会音楽音響研究会資料 24・1(発表予定)

  • [Journal Article] The Sagrada Familia Cathedral where Gaudi envisaged his bell music2004

    • Author(s)
      S.Yoshikawa, T.Narita
    • Journal Title

      J.Acoust.Soc.Am. 115・5

      Pages: 2529

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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