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2005 Fiscal Year Annual Research Report

古イチョウのDNA分析からみた中世の日本国内及び東アジアの交流について

Research Project

Project/Area Number 15652039
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

佐藤 征弥  徳島大学, 総合科学部, 助教授 (00274192)

Keywordsイチョウ / Ginkgo biloba / DNA / ミトコンドリアDNA / 伝来 / 巨樹
Research Abstract

イチョウは文化的,宗教的,民俗的な側面から日本人の生活風土に深く入り込んでいる。しかし,イチョウがいつ頃どのようにして日本に伝わったのか,そしてどのようにして日本各地に広がっていったのかは不明である。現在知り得る限り,日本における最も古い「銀杏」に関する遺物資料は,1323年に中国の安寧から博多に向う途中に沈没した貿易船から発見されたギンナンであり,文書記録では,1381年に公家の日記に「銀杏」と書かれているのが初見である。
本研究は,幹周囲6m以上の巨樹から葉を採取し,ミトコンドリアDNAのnad2遺伝子のイントロンの配列を解析してDNAのタイプ分けを行っている。本年度のDNA分析の成果を以下に2つ挙げる。(1)日本国内の巨樹イチョウを分析した結果、新たなDNAタイプが4種類発見されて、計23種類となった。(2)韓国の巨樹イチョウ21本をDNA分析した結果、韓国特有のタイプが2種類、日本と共通のDNAタイプが5種類見いだされた。その中で特に興味深いのは、日本では対馬でしか見つかっていないDNAタイプの存在である。韓国と対馬の密接な交流が、イチョウのDNAタイプからもうかがわれる結果となった。
次にこれら巨樹イチョウに関する史料調査の成果を以下に2つ挙げる。(1)岡山県奈義町菩提寺の巨樹イチョウは、将軍徳川吉宗の命により詳細な調査が行われていた。その記録から、イチョウの気根が珍重されていたこと、また樹のスケッチからイチョウの長期間の成長の様子が分かった。(2)日本一のイチョウとして現在は有名になった青森県深浦町北金ヶ沢のイチョウは、江戸時代の後期になるまでは近隣の杉の巨樹と比較して無名の存在であった。これに限らず青森県や秋田県では、イチョウと杉の巨樹がペアのように接して存在するケースが多く、この地方の樹の文化の一つの特徴であると考えられる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Book (1 results)

  • [Book] 総覧・日本の巨樹イチョウ2005

    • Author(s)
      堀 輝三
    • Total Pages
      218
    • Publisher
      内田老鶴圃

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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