2003 Fiscal Year Annual Research Report
可変取引システムの研究―自律分散型SCMシステムの拡張―
Project/Area Number |
15653026
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
弘津 真澄 福岡大学, 商学部, 助教授 (40259932)
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Keywords | 可変取引 / 自律分散 / SCM |
Research Abstract |
既に企業で使用されている取引の仕組を調査する予定になっていました。しかしながら諸事情でフィールドに出ることができなかったため書籍の上での調査のみとなりました。しかしながら、「可変取引(ある時点までは複数の取引先から提出される数量・単価・納期という取引条件のデータによって取引の成立・不成立や納品の優先順位や時期が変動するという取引の仕組み)」に近いものが、わずかですが既にあることがわかりました。 自律分散型SCMシステムの環境整備として、WebサービスをSOAP(Simple Object Access Protocol)で稼動させることができるサーバを複数準備し、相互接続が可能であることを検証する予定になっていました。SOAPとは,非集中,分散環境における情報交換のための軽量のプロトコルです。XMLを基盤としたプロトコルで、RPC(Remote Procedure Call)とそのレスポンスのための規約です。簡単なシステムを構築し接続を行いましたが、レスポンスのスピード以外は同一ハード内での動作となんら変わらないことがわかりました。 また、論文にはできませんでしたが、以下のことを学会にて口頭で報告しました。 「可変取引」では軸足を情報流に移し、取引流は情報流に従うという考えに基づいています。この情報流を構成するものは、適切な「問題」と「データ」と「知識」が組み合わされる「情報」モジュールによって構成されます。問題とデータが分散している場合、知識の精度は低くても、その知識を分散配置することで全体の知識水準を底上げすることができれば、全体の効用が高くなるということを報告しました。この考え方は既存の取引を可変取引に変えることによって底上げできれば自律分散型SCMシステム全体の効用は高くなる、ということにつながります。
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