2003 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染者の社会福祉施設サービス利用における阻害要因に関する研究
Project/Area Number |
15653038
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小西 加保留 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (10068588)
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Keywords | HIV感染者 / 社会福祉施設 / サービス利用 / 阻害要因 / 促進要因 |
Research Abstract |
目的: HIV感染者が社会福祉施設サービスを利用しようとする時に、サービス不提供者側が抱える不安や課題となる要因を明らかにする。またどのような要因が、サービス提供や受け入れ意向に影響を及ぼしているかを分析する。 方法: <対象者>重度身体障害者更正援護施設73箇所、身体障害者療護施設341箇所、知的障害者更正施設1231箇所、児童養護施設552箇所、精神障害者生活訓練施設180箇所の各全数(平成11年度現在)、合計2377箇所。各施設に対して、1)施設長、2)生活・児童指導員、3)その他の計3名に依頼。合計配布数、計7131票。 <調査期間>2003年10月〜11月、質問紙を用いた郵送法 <有効回収数>施設999箇所(回収率42.03%)調査票数2843票(回収率39.87%) 調査項目: (1)基本属性(2)環境要因(3)H I V感染者の受け入れに関係すると思われる83項目と受け入れ意向に関わる2項目 分析方法: 単純集計/クロス集計/x2乗検定/一元配置分散分析/因子分析/重回帰分析 結果概要: 1.因子分析の結果、12因子を抽出した。 (1)抗体検査実施義務(2)性への陽性価値観(3)他者への対応困難感(4)感染対応理解(5)医療体制(6)性への対応困難感(7)性支援システム(8)法的責任(9)感染発生時不安(10)健康管理(11)自慰行為容認(12)コスト保証 2.受け入れ姿勢への阻害要因や促進要因は多岐に複雑に影響していると共に、施設種別ごとの課題がある。各施設に共通する因子としては、「他者への対応困難」(-方向)「性の陽性価値感」(+方向)が代表的なものであった。 3.HIV感染者の受け入れ経験は、22施設でもっていた。 4.受け入れ経験より研修経験が今後の受け入れ姿勢に有意に関連していた。 5.具体的な感染発生時への不安や事後対応、感染対応への理解の課題も大きく、具体的な知識・情報の提供が重要な課題である。 6.施設特性に関連する性の支援システム作りやコスト保障やハード面の対策も合わせて重要である。
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Research Products
(1 results)